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東北の地銀 寄付型私募債が急増 企業と銀行の戦略かみ合う

寄付型私募債を活用しNPOの代表に学習備品の目録を手渡す高政の高橋社長(右)

 企業の希望に応じて私募債発行の手数料の一部を学校などに贈る「寄付型私募債」の引き受けが、東北の地銀、第二地銀で増えている。2016年6月に始めた東邦銀行を皮切りに、現在は東北の10行が取り扱っている。企業は地域貢献をアピールできる上、銀行も手数料収入が見込めるとあって急拡大している。
 東北の各行の引き受け実績は表の通り。
 各行は手数料の0.2%程度の金額で寄贈品を購入し、幼稚園や小中高校に贈る。東邦銀や七十七銀行、荘内銀行(鶴岡市)は福祉施設なども対象に加えた。寄贈の主体は銀行だが、贈呈式などに企業の関係者が参加することも多い。
 七十七銀は9月末までにバス会社や建設業者など7件の私募債を引き受けた。
 最初の受託となったかまぼこ製造の高政(宮城県女川町)は、女川町で学習支援を続けているNPO法人カタリバへの寄贈を希望。学習書籍やストーブなど約20万円分を寄付することになった。
 町内であった贈呈式に参加した高政の高橋正典社長は「社会貢献は地域で生きる企業としての責任。将来を担う子どもたちに役立ててほしい」と話した。
 東邦銀は16年に福島県内の企業から私募債受託を始めたが、県外から「福島を応援したい」との声が多く届いたため、今年1月には県外企業向けの寄付型私募債の取り扱いも始めた。両商品の発行総額は100億円を超えた。
 同行営業渉外課は「地元の学校を支援したい地元企業のほか、経営者の母校に贈りたいといった理由で寄付を検討する県外企業も多い」と話す。秋田銀行は近く、最初の寄付型私募債を引き受ける見通し。福島銀行も取り扱いを始める。
 各行はいずれも低金利政策で収益環境が厳しく、寄付型私募債の手数料収入によって利益確保につなげたい考えだ。七十七銀営業渉外課は「企業の意向をくみながら一緒に地域貢献したい」と話した。


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2017年10月31日火曜日


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