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<トヨタ東日本>高齢化社会、訪日客への対応背景 事業者期待 価格が課題

 トヨタ自動車東日本が、新型タクシーの生産を本格化させた背景には、高齢化社会の進展とインバウンドへの対応がある。トヨタはタクシーの国内シェア約8割を維持してきた実績があり、新型車は車両の構造や燃費性能を向上させた。同社は全国で一気に買い替えを促したい考えで、東北のタクシー会社からも期待の声が上がるが、普及に向けた課題も少なくない。
 いわきタクシーグループ(いわき市)は既に1台を導入し、今月中に4台を追加する。配車担当者は「乗りたいという問い合わせがある。街で見る機会が増えれば、さらに反響が出るだろう」と期待する。
 仙台タクシーグループ(仙台市)の小野公大専務は「安全装備が付いて運転負担が軽減され、事故が減る」と評価する。
 課題は価格。複数の業者が「高い」と口をそろえる。新型車「JPN TAXI」は標準グレードで約330万円。現行のコンフォートより約100万円高い。小規模経営の東北の事業者にとって負担は大きい。
 トヨタ東日本は来年1月、コンフォートの生産を終える予定だが、皮肉にも駆け込み需要で受注が増加している。ある事業者は「経営への負担を考え、安い現行車でしのぐケースも多い」と話す。
 普及の鍵は補助金にもある。国土交通省のユニバーサルデザイン(UD)タクシー制度の認定を取得。申請条件を満たした事業者は本年度、1社当たり上限60万円の補助が受けられる。東京都は東京五輪を見据え、国と同額の60万円の上乗せ補助金を用意する。
 東北運輸局によると、東京都以外でも札幌市など11の県と市町が独自の補助金制度を創設しているが、東北ではまだない。
 東北ハイヤー・タクシー連合会(仙台市)の佐々木昌二会長は「地方の事業者は財務状況が厳しい。高齢者に優しい新型車普及のため県などに補助金の予算措置を要請したい」と話す。
 販売を担う仙台トヨペット(同)の浅野秀雄法人営業部長は「燃費性能が2倍向上し、燃料費が大幅に削減できる。試乗車を持って事業者を訪ね、売り込みたい」と意気込む。


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2017年11月02日木曜日


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