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オレンジ旗は津波の合図 被災地で鎌倉発祥のアイデア取り入れ訓練へ

避難を促すオレンジ色の旗を掲げる伊藤会長=七ケ浜町笹山地区

 宮城県七ケ浜町笹山地区の自主防災会は5日、オレンジ色の旗を高台に掲げて津波からの避難を促す訓練を初めて実施する。波や風の音に左右されず、視覚で津波注意報や警報を知らせ、避難を誘導する。東日本大震災後に町と交流を続ける鎌倉市発祥のアイデアで、全国に広がりつつある。
 笹山地区は津波で家を失った住民が集団移転した高台の住宅団地で、120世帯が暮らす。眼下に広がる菖蒲田海岸には多くのサーファーが集まり、海水浴場が今年夏に本格再開した。
 地区の自主防災会は町の補助で縦100センチ、横145センチのオレンジ色の旗を五つ用意。旗には「津波避難」のほか、英語で避難を意味する「evacuation」の文字を記した。
 訓練は5日の「津波防災の日」に合わせた町内一斉の総合防災訓練の一環として実施。午前9時の開始と同時に、地区の展望広場など高台4カ所と避難所1カ所で旗を掲げ、避難ルートの目印にする。旗と同じ色のビブスも着用する。
 旗の色をオレンジにしたのは視認性が高いため。東日本大震災後、沖合にいるウインドサーファーに津波警報を知らせる手段として鎌倉マリンスポーツ連盟が発案した。全国の自治体や団体で実践が広がる。
 鎌倉の市民団体が七ケ浜で復興支援を続けたのが縁で、両市町は2014年8月に「パートナーシティ提携」を結んだ。オレンジの旗を掲げる活動も鎌倉との交流から実践例を学んだ。
 笹山地区自主防災会の伊藤政治会長(73)は「地区の住民は津波で被災し、さまざまな支援を受けた。高台に避難を誘導することで、少しでも恩返しがしたい」と話す。訓練当日はサーフィン愛好家のほか、観光客にも参加を呼び掛ける。


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2017年11月02日木曜日


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