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<週刊せんだい>街に香る滴 コーヒー新潮流(1)ファン獲得へ動く

トウホク・コーヒースタンド・フェスで店主と会話しながらコーヒーの飲み比べを楽しむ市民ら=10月15日、仙台市青葉区の西公園
コーヒーアクションは、同じコーヒー豆の焙煎や抽出法による違いを、参加店を巡って楽しんでもらう趣向だ=10月中旬、仙台市太白区の「ほの香」
焙煎したコーヒーを確認する田中さん=仙台市若林区のスパーク・コーヒー・ロースターズ

 温かい飲み物をうれしく感じる11月、週刊せんだいのテーマは「街に香る滴 コーヒー新潮流」です。
 ここ数年、仙台圏のコーヒーシーンに変化が起きているのをご存じでしょうか。品質や生産流通履歴が確かな「スペシャルティコーヒー」を主力に、自家焙煎(ばいせん)して提供するカフェやコーヒースタンドが増加。豆自体が持つ風味に、より焦点を当てた味わいを伝えようと、イベントも盛んです。店同士が手を組んでコーヒーの楽しみ方を発信したり、レベル向上を図ったりする取り組みが活発化してきました。

◎膨らむ楽しみ 自家焙煎店続々誕生

 「フレーバーはピーチやアプリコット。舌触り滑らかで少しぬるっとしています」「こちらは、ストロベリージャムのような甘さが感じられますよ」。半信半疑でカップに口を付けた来場者から「本当だ、すごいフルーティー」「コーヒーじゃないみたい」といった声が上がる。

<浅いりで提供>
 仙台市中心部で10月14、15の両日開かれた「トウホク・コーヒースタンド・フェス」。2日間で市内外の自家焙煎(ばいせん)コーヒー店やカフェ計34店が出店した。
 目立つのは、品質や生産流通履歴の確かな「スペシャルティコーヒー」と呼ばれる豆を浅いりで提供する店。苦味より酸味や甘味が際立つ味わいは、一般にイメージされる「コーヒー」とは異なり、まだ広く知られているとは言い難い。参加店は「まずは飲んでみてほしい」とファンの獲得に努める。
 フェスは1000円で小サイズの5杯を飲み比べでき、通常サイズも1杯ずつ購入できる仕組み。「お気に入りの店を巡って通常サイズを購入して楽しむ人が増えた」。主催した仙台のまちづくり会社代表でコーヒー店も営む本郷紘一さん(34)は話す。昨秋、今春に続く今回、来場者数は前回の7万人に及ばなかったが、ファンが根付きつつあるのを感じるという。
 仙台では、カフェなどが集まりコーヒーの新たな魅力を発信するイベントが盛り上がる。
 市内の自家焙煎コーヒー店などが企画する「珈琲参杯(コーヒーさんぱい)」の会場は過去2回が古刹(こさつ)・資福寺(青葉区)、5日に開く第3回は宮城県知事公館(同)。日常を離れた空間でスペシャルティコーヒーの味を伝える試みだ。

<「楽しさ発信」>
 「コーヒーアクション」は春と秋に1カ月間、同じ生豆を参加店が焙煎、それぞれの抽出法で提供する。各店を巡り、それぞれの個性を知ってもらう仕掛けで、東北のコーヒーシーンの盛り上げを図るカフェや市民によるプロジェクト「コーヒーフェローズ」の一環。2015年秋に10店の参加で始まり、今年10月は宮城、山形、福島の計31店にまで増えた。
 フェローズは今年、プロ野球東北楽天の試合開催時のKoboパーク宮城(仙台市宮城野区)への出店などにも取り組んだ。
 メンバーで太白区の「ほの香」を経営する高橋周平さん(33)は「ここ数年でコーヒーのイベントへの消費者の反応が良くなり、企業からも注目され始めた。コーヒーの楽しさをさらに発信したい」と力を込める。

◎おうちでもっとおいしく/豆選び編 焙煎の好みを基準に

 自宅でもっとおいしくコーヒーを楽しむためのポイントを、プロに教わった。
 家でコーヒーを入れるなら、豆選びから。教えてくれたのは、若林区連坊小路で自家焙煎(ばいせん)コーヒーの店「スパーク・コーヒー・ロースターズ」を営む田中義也さん(31)。
 「まずはおいしいコーヒー屋さんを見つけましょう。飲んで、雑味や飲みづらい感じがないか、冷めてもちゃんと飲めるか、確認して」とアドバイスする。品質や焙煎に問題がないか判断する指標になるという。
 その次に基準になるのが焙煎の度合いの好み。「深めなら苦味が強くなり、浅めなら酸味や明るい感じの印象が強くなります」。店に味作りの方針を聞いてみるのもお勧めだ。
 産地や精製方法によっても風味は異なる。例えばアフリカ・エチオピア産ならフローラル(花のような香り)でフルーティー、インドネシア産ならハーブのようなフレーバーが出やすい傾向にあり、ブラジルなど中米産は癖のない味わいが多い。
 精製方法はコーヒーの果肉をはぎ取って乾燥させる「ウォッシュド」と、果肉を残す「ナチュラル」が主流。ウォッシュドはすっきり、さっぱりとした印象になり、ナチュラルは味がしっかり舌に残り、香りも強く出やすい。「豆ごとの風味特性の違いを楽しむなら浅めの焙煎がお薦め」(田中さん)だそうだ。


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2017年11月02日木曜日


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