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<東京五輪>復興ホストタウン応募不調?市町村「メリットが見えにくい」

津波で甚大な被害を受け、復旧復興工事が続く被災地=2017年10月24日、宮城県南三陸町

 「復興途上では難しい」「被災地の実情に合わない」。2020年東京五輪・パラリンピックに向けた国の事業「復興『ありがとう』ホストタウン」への応募が11件にとどまっていることに対し、岩手、宮城、福島の被災3県の市町村からは1日、国への対応に苦慮する声が聞かれた。
 3県などによると、応募したのは交流相手国が未定の自治体を含め11市村。岩手が陸前高田、野田など5市村、宮城が仙台、東松島の2市、福島は南相馬、本宮、北塩原、飯舘の4市村。復興の遅れやマンパワーの不足などで応募に至らない自治体も多いとみられる。
 昨年、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が一部を除き解除された福島県葛尾村の担当者は「復興自体がこれからであり困難」と説明。岩手県の沿岸自治体の担当者は「復興に追われる中で、ホストタウンを担うメリットが見えにくい」と吐露する。
 鈴木俊一五輪相は1日の閣議後会見で、「強制ではなく自治体それぞれに判断していただく」と語り、募集継続の考えを示した。だが、自治体からは事業の枠組み自体の再考を求める声も上がる。
 宮城県南三陸町は、財政面だけでなく、国際交流の専門性のある人材の派遣なども必要だと強調する。復興を急ぐために全国の自治体から職員の派遣を受ける中で、ホストタウンに人手を割くのは派遣元自治体への礼を欠くことになると説明する。
 南三陸町の阿部俊光企画課長は「被災地の実情に応じた改善策がなければ、応募受付期間を延ばしても状況は変わらないのではないか」と指摘する。


2017年11月02日木曜日


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