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<気仙沼市立病院>外来診療始まる 被災地の医療担う新拠点に期待膨らむ

診療に訪れた患者ら
関係者に見送られ発車する循環バス

 建物の老朽化により、宮城県気仙沼市赤岩杉ノ沢に移転新築した気仙沼市立病院で2日、外来診療が始まった。初日から多くの住民が集まり、新たな地域医療の拠点への期待を膨らませていた。新病院の出発に伴い、市は高齢者ら交通弱者の利便性向上を図るため、市内の災害公営住宅や公共施設などと病院を結ぶ循環バスの実証運行をスタートした。

◎施設/明るく快適、備え強化

 気仙沼市立病院では、午前7時45分の受け付け開始と同時に待ちわびた住民らが次々と窓口を訪れた。受診手続きを済ませた患者らは、早速、新しい診療室で治療を受けていた。
 鉄骨6階、地下1階延べ床面積約2万9000平方メートル。1964年に建てられた旧病院(気仙沼市田中)に比べ、1階のエントランスホールが広く全体的に明るい印象を与える。
 20年近く市立病院に通っている同市滝の入の無職村上佐喜男さん(84)は「前の病院に比べると、広々として明るく快適だ。駐車場も大きくて利用しやすい」と満足げだった。
 免震構造で自家発電用の重油と水を3日分備蓄できるなど、災害への備えも強化された。安海(あづみ)清院長は「職員全員で一生懸命準備を進めてきた。東日本大震災クラスの災害にも対応できる安全で安心な病院を利用してほしい」と話した。

◎循環バス/アクセス不便さ解消

 市が1年間の実証運行を始めた循環バスは、市立病院を発着点に時計、反時計回りで1日計14便、町中心部を巡る約11.6キロのルートを44分かけて1周する。料金は200円均一(小学生以下は100円)。
 南郷地区や幸町地区にある災害公営住宅、市役所、JR気仙沼駅などに停留所は22カ所設けられた。市内の民間会社に委託し、29人乗りのマイクロバスが使われる。業務委託料は約1500万円で復興交付金を活用した。
 初日は病院前でセレモニーがあり、菅原茂市長は「市街地から離れた病院だが、アクセスの課題は解消できる」とあいさつした。
 市は1日100人の利用を見込む。通院で利用した同市古町の無職女性(58)は「乗り心地が良く、利用しやすい」と話した。病院前にはJR気仙沼線バス高速輸送システム(BRT)の駅も新設された。


2017年11月03日金曜日


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