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「二十五さま」里帰り 平安末期の仏像群 住民の寄付で収蔵庫修繕

修繕工事を終えた収蔵庫に安置された松川二十五菩薩像

 地域住民の厚い信仰を集めている岩手県一関市東山町の仏像群「松川二十五菩薩(ぼさつ)像」が、修繕工事を終えた地元の収蔵庫に約3年ぶりに戻ってきた。4、5の両日、同町松川市民センター敷地内の収蔵庫で公開される。
 松川二十五菩薩像は平安時代末期の作とされ、本尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)座像を中心に菩薩像25体、飛天像7体で構成。砂鉄川の洪水でこの地に仏像が流れ着いたという伝説が残り、「二十五さま」の愛称で親しまれてきた。
 2015年に収蔵庫の雨漏り対策工事が始まったのに合わせて、一関市博物館がばらばらの状態で保管されていた仏像群を可能な限り組み立てた。
 仏像群は、阿弥陀如来が多くの菩薩と共に現れた浄土思想の「来迎(らいごう)」を表現しており、平安時代の作品が残っているのは国内で3カ所だけだ。
 岩手県有形文化財に指定されている仏像は、肌に金箔、衣服に多彩な着色の跡を確認することができ、黄金文化を築いた奥州藤原氏ゆかりの作品という説もある。
 収蔵庫の修繕工事費では、松川地区のほぼ全戸が計180万円を寄付した。保存会の佐藤育郎会長は「地元の善意の積み重ねのおかげ。末永く祈りの文化を受け継ぎたい」と話す。
 松川市民センターでは4日午後2時から、二十五菩薩像の研究成果に関する講演会が開かれる。


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2017年11月03日金曜日


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