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<杜の都のチャレン人>小さな命に向けるまなざし 猫の殺処分ゼロへ願い込め

サークルの仲間と共に、地域猫に餌を与える千田さん=仙台市青葉区の公園

◎地域猫活動を行う学生サークル「とんねこ」代表 千田紘之さん(21)

 暗闇に包まれた公園内、街路灯に照らし出された広場の一角。到来を察知した小さな獣たちが、植え込みの根元や葉陰から、用心深げに姿を現す。白、黒、三毛にキジトラ。3年前に始めた「地域猫活動」の一環で世話をしている猫たちだ。1匹1匹の健康状態を確認しながら、サークルの仲間と一緒に、夕食のキャットフードをボウルに移す。小さな命へ向けるまなざしは優しい。
 東北大生でつくる猫ボランティアサークル「とんねこ」の活動風景。毎日朝夕2回、約40人のメンバーと分担し、青葉区中心部の公園で、地域猫への給餌活動を行っている。
 幼い頃から猫が好きだった。中学の時、保護した野良猫を腎臓の病気で死なせた。「助けてやれなかった」。無念さが残った。獣医師になりたかったが、実家の建設会社を継がねばならず、大学は工学部建築学科に進んだ。
 入学間もない頃、地域猫活動を知った。野良猫を捕獲、避妊・去勢手術を施し、元いた場所に戻して地域で共同管理する。「殺処分を減らし、猫を救うことができる」。すぐさまサークルを立ち上げた。保健所から捕獲器を借り受け、活動を始めた。これまでに保護した猫は20匹に上る。
 年中無休、天候に関係なく行われる野外での活動は楽ではない。単なる「餌やり」と勘違いされ、住民とトラブルになり、市内のベテランボランティアが仲裁に入ってくれたこともあった。それでも続けているのは「関わった命に対する責任感」からだ。
 「ありがとう」。先日、通りがかった高齢女性から突然声を掛けられた。活動が認められたようでうれしかった。
 継続的な活動に向け、後輩の指導に力を注ぐ。捕獲器の扱い方や、動物病院との交渉など、教えるべきことは多い。「仙台での殺処分ゼロが願いですから」(や)

[ちだ・ひろゆき]96年北上市生まれ。「とんねこ」は「東北大生の猫サークル」の意。15〜20日、仙台市青葉区の「またたび堂」で猫グッズを販売、収益を活動資金に充てる。連絡先はtonneko2014@gmail.com


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2017年11月04日土曜日


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