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<子ども食堂>農家が応援 野菜寄付の動き宮城で広がる 廃棄削減、食育に効果

渡辺さん(左)から段ボール箱に入った野菜を受け取る門間代表=4日夜、仙台市青葉区郷六

 低所得世帯などの子どもたちに食事とだんらんの場を提供する「子ども食堂」に、生産者が野菜を寄付する動きが宮城県で広がっている。主に収穫量が多かったり、小さな傷が付いたりした野菜で、おいしさや鮮度は通常と変わらない。野菜の寄付は生産者、子ども食堂双方にメリットがあるが、善意の広がりとともに課題も出ている。

 宮城県南でオーガニック系の野菜を栽培する8生産者は今年6月から、子ども食堂を運営する仙台市の2団体に毎月計4回、野菜を無償提供している。収量が超過した物や、傷や虫が付いたB級品。以前は値引き販売か自家用に回し、余れば廃棄処分していた。
 野菜の寄付は、仙台市太白区に農場を持つ渡辺重貴さん(45)が知り合いの生産者に呼び掛けて始まった。渡辺さんは野菜を泣く泣く廃棄することもあったが、子ども食堂が悩みを解消してくれたという。
 生産者にとって、寄付は社会貢献と廃棄削減だけでなく値崩れ対策にもなる。B級品の値引き販売は正規の値段の野菜を買ってもらう機会を奪うことになるからだ。渡辺さんは今では「もっと良い野菜を子どもたちに食べてほしい」と思うようになったという。
 子ども食堂では食事の提供にとどまらず、食育効果も見られる。
 仙台市の「せんだいこども食堂」は月2回、渡辺さんのグループから野菜の寄付を受ける。門間尚子代表は「野菜がいろんな形に育つことを知り、野菜を食べる虫に興味を持つ子もいる」と説明する。
 5日は青葉区の施設で、前日に提供されたダイコンやニンジンなどを調理し、子どもたちにけんちん汁、酢の物などを振る舞う。
 生産者と子ども食堂の協力関係が広がる中、提供される食材を適切に届けて保管する点で課題も見えてきた。
 県内の子ども食堂はここ数年で少なくとも30団体に増え、食材の寄付も多くなったという。「こども食堂ネットワーク」(東京)によると、全国では地域の農協やスーパーからの寄付も増えている。
 提供食材を無駄にしない工夫が必要で、門間代表は、近隣の団体にお裾分けすることもあるという。
 こども食堂ネットワークの担当者は「運送や保管ができず受け取りを断念するケースも出ている」と指摘。流通ノウハウのある企業や団体の協力の必要性を訴える。


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2017年11月05日日曜日


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