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被災住民の命つないだ旅客船「ひまわり」運航終了へ…保存への機運高まる

ひまわりを点検する菅原さん

 東日本大震災の津波で孤立した宮城県気仙沼市の離島・大島の住民の足として活躍した臨時旅客船「ひまわり」を保存する機運が市内外で高まっている。本土と大島をつなぐ気仙沼大島大橋の開通を機に、船長の菅原進さん(74)は運航を終える予定。行き場を失う船を巡り、「震災を伝える貴重な遺構」と訴える有志が12月にも組織を立ち上げ、保存方法を探る。
 ひまわりは乗客12人が乗れ、菅原さんが1970年に運航を始めた。定期船終了後の夜間に船を出し、急患の対応や早朝に本土に着きたい島民の要望などに応じてきた。大島と本土が結ばれると利用者が見込めなくなるため、菅原さんは2019年3月に予定されている大島大橋の開通と同時に運航をやめる。
 菅原さんは震災の際、「沖出し」をして船を守った。自宅を津波で流されながら震災の2日後から約8カ月間、日中に船を無償で運航し、島民の足を守った。利用者が善意で支払った運賃は、全て島内の仮設住宅の入居者に寄付した。
 菅原さんの体験談を聞くため、今も全国から大島を訪れる観光客がいる。市内外の小中学校から講演の依頼が多く、震災当時は海外メディアにも取り上げられた。
 ひまわりの運航中止を巡り、全国から保存を求める声が寄せられていることを聞いた菅原さんが島内や市内外の知人に相談。賛同者と菅原さんは、保存を検討する組織を年内に立ち上げる方針を決めた。
 検討組織には大島の民宿関係者や、菅原さんが講演や取材などで知り合った東京都の編集者や歌手も加わる予定。船の保存場所や費用の集め方などを話し合う。
 菅原さんは「あの震災の苦しい時にみんなが乗ってくれた船。ひまわりの話を聞いてくれた子どもたちが将来、大島を訪れてくれることもあるだろう。震災の風化を防ぐためにも何とか残したい」と訴える。
 連絡先は菅原さん090(1496)4329。


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2017年11月07日火曜日


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