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<ILC>全長縮小決定へ 国際会議で20キロ、費用5000億円程度に

 宇宙誕生の状態を再現する巨大装置で、岩手・宮城両県にまたがる北上山地に建設が構想されている次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、世界の物理学者らが全長を31キロから20キロに縮小することに合意することが6日、分かった。カナダ・オタワで7日(日本時間8日)に開かれる国際会議で正式に決める。
 加速器のエネルギーが半減し、一部の実験はできなくなるが、最大の課題だった8300億円の建設費を5千億円程度にまで減らせる見込み。研究者らは日本など各国政府に出資への理解を求め、2022年の建設開始、32年の本格稼働を目指す。ただ国際的な負担割合は決まっておらず、実現は不透明なままだ。
 関係者によると、短縮した計画では、装置を設置する地下トンネルは一関市に建設。九州大を中心に観測データを管理する組織や、茨城県つくば市に関連拠点を検討する。
 ILCは直線型で、両端から電子と陽電子という粒子を飛ばして衝突させ反応を調べる。138億年前のビッグバンに匹敵する高エネルギー状態の再現を目指す。
 全長を短くすれば、粒子を加速する超電導磁石が少なくなり、コストが減らせる。万物に重さを与えるヒッグス粒子の性質は調べられるが、宇宙に大量にあるとされ、正体不明の暗黒物質の発見は難しくなるため、将来、規模を拡張する道を探る。
 計画に関わる山下了・東大特任教授は「大幅なコストダウンで建設の可能性が高まった。必ず実現させたい」と話している。


2017年11月07日火曜日


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