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「最後の撃墜王」ゼロ戦パイロット菅野直の生涯を劇に 小学生が平和の尊さ学ぶ

戦時中の学校生活を演じる児童たち

 宮城県角田市枝野小(児童82人)が、戦前、戦中の地域の歴史に関する学習に力を入れている。5、6年生27人は、同校出身のゼロ戦パイロットで、太平洋戦争で「最後の撃墜王」と称された菅野直(なおし)(1921〜45年)の生涯を取り上げた劇に挑戦した。当時の学校日誌などの資料が残されており、児童に身近な題材として活用した。

 当時の学籍簿には菅野の成績が残っており、学業も体育も優れていた。旧角田中では石川啄木や短歌を好んだとされる。ゼロ戦パイロットとして南洋諸島などで活躍したが、終戦約2週間前に23歳で戦死した。
 10月21日の学習発表会で、児童たちは、増水した阿武隈川を泳いで渡り、学校に他の児童の様子を連絡したり、文学に夢を持ち詩を投稿したりした菅野の素顔を演じた。
 学校日誌を参考に、農作業や掃除など奉仕活動の様子や、角田上空を米軍機が通過したことも紹介した。ラストシーンは「今は夢を自由に追い掛けることができる。平和な時代に感謝し、一瞬一瞬を大切に歩みます」と訴えた。
 菅野役を務めた6年斎藤陽(ひなた)君(12)は「正義感が強い人だったのに、夢がかなえられなくてかわいそう。当時の人の分も頑張る」と言う。6年佐藤遥さん(12)は「角田は安全と思っていたが、いざとなると怖い。自分が戦争の時代に生まれていたら、苦しい思いをしたと思う」と語った。
 同校では2016年度、角田市教委の事業の一環で、宮城学院女子大の大平聡教授が調査を実施。明治から戦前の資料約80点が見つかったのをきっかけに、学習への活用を検討していた。今月8日には地域の高齢者8人を招き、当時の学校生活を語ってもらった。
 佐藤瑞恵校長は「児童が戦争の悲惨さや平和の素晴らしさを、身近なこととしてとらえるようになった。地域に根差した学びを続けたい」と話している。


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2017年11月09日木曜日


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