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<世界防災フォーラム>「BOSAI」被災地から 仙台で25〜28日

WBFの仙台隔年開催が発表された昨年のIDRC。東日本大震災の教訓と知見を被災地から世界に継続発信していく意義を確認した=2016年8月31日、スイス・ダボス

 東日本大震災の教訓を基に世界の防災戦略を幅広く議論する「世界防災フォーラム(WBF)」(実行委員会主催)が25〜28日、仙台市青葉区の仙台国際センターを主会場に開かれる。スイス・ダボス市で2年に1回開かれている「国際災害・リスク会議」(IDRC)を誘致し、隔年で定期開催することになった国際会議の初回。26、27の両日は、内閣府など主催の防災推進国民大会なども同会場で開かれ、合わせて1万人の来場者が見込まれる。日本の「BOSAI(防災)」の知見を、被災地から世界に発信する好機となる。

○「仙台枠組」確かめ合う36の国・地域国連など参加

 WBFは、東北大や仙台市などがIDRCを主催するグローバルリスクフォーラム(GRF)などと企画し、実行委を組織した。
 2015年3月に仙台で開かれた国連防災世界会議の実績を引き継ぎ、国連会議で採択された30年までの国際的な防災の新指針「仙台防災枠組」を確かめ合う場と位置付けている。
 主会場は仙台国際センターの会議棟。国連のグラッサー事務総長特別代表(防災担当)ら国連幹部、36の国・地域の政府関係者、企業、NGO関係者、研究者ら約500人が集う。
 ダボス開催のIDRC参加者が欧州中心であるのに対し、WBFは世界の自然災害被害の9割が集中するアジア・太平洋地域からの参加が85%を占め、より実践的な議論の場になる。
 25日の前日祭に続く26日のオープニングでは、被災者代表が防災の決意を表明し、グラッサー代表らがあいさつ。国連機関の代表らが仙台防災枠組に基づいた取り組みを報告する。
 セッションは26〜28日の3日間で約50が予定され、3分の1は一般にも無料公開される。震災の教訓を受けて女性や障害者をテーマにした発表が目立ち、小型無人機ドローンや人工知能(AI)など最新技術の災害応用策も話し合われる。
 会期中は、海外からの約100人を被災地に案内するスタディーツアーが連日実施される。震災遺構の旧荒浜小(若林区)などを視察し、津波被害の大きさと復興の姿に触れてもらう。
 26、27日は同じ会場と地下鉄東西線国際センター駅や駅南北の広場で、防災推進国民大会2017(ぼうさいこくたい)と2017防災産業展in仙台が開かれる。
 WBFを含め、詳細は各イベントのホームページで紹介している。

◎メッセージ

<経験者から学ぶ機会に/グローバルリスクフォーラム代表 ウォルター・アマン氏>
 WBFは、国連が策定した仙台防災枠組の実施に向けた大きな一歩になります。
 大きな津波被害を受けた地域で国際会議が開催されることは大変意義深く、国際防災に取り組む専門家が災害対策や復興に関する貴重な知識や専門性を共有する素晴らしい機会になるでしょう。議論を通じ、世界中の関係者が大震災を経験した仲間から学ぶ機会を得ることができます。
 スイス・ダボスで定期開催する国際災害・リスク会議(IDRC)の議長として、IDRCとWBFを交互に隔年開催することについて、仙台市や東北大学と合意を得られたことを大変光栄に思います。2018年秋開催のIDRCに皆さまをお迎えすることを今から楽しみにしています。

<日本発の考え方を共有/実行委員長東北大災害科学国際研究所所長 今村文彦氏>
 東日本大震災の被災地に世界の関係者が集い、防災を議論し発信する国際会議が定期開催される意義は大変大きいと考えます。
 2015年3月に仙台市で開かれた第3回国連防災世界会議では、国際的指針の仙台防災枠組が採択されました。「仙台」の名は世界の防災関係者に広く浸透しており、今後スイスのダボス会議と隔年で継続開催されるWBFは、産官学民が協働して震災を含む日本の被災経験や教訓を発信するプラットフォーム(基盤)となるでしょう。
 防災枠組を軸に国連や国際機関、各国政府、企業、NGO・市民団体、研究機関、報道機関など世界の多様なセクターの関係者が、事前の対策で被害軽減を図る日本発の「BOSAI(防災)」の考え方を共有することになります。
 初回は50を超えるセッションやポスター発表、スタディーツアー、エクスカーションを予定しています。防災推進国民大会と防災産業展も同時開催となり、国内外の防災の知見を集約する場になります。
 広域かつ複合的な未曽有の大災害である東日本大震災の記憶と記録、経験と教訓を後世に伝え継ぐことは、私たちの責務です。震災被災地、仙台を防災先進地と位置付け、防災のソリューション(課題解決策)を創造、共有し、実践的な防災の普及を目指す機会としてWBFをアピールしていきましょう。大勢の市民の来場、参加を期待します。


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2017年11月09日木曜日


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