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<タリウム事件>専門家証言「学校介入なら状況違った」

 名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして殺人や殺人未遂などの罪に問われ、名古屋地裁で無期懲役判決を受けた元名古屋大女子学生(22)=仙台市出身=の控訴審公判が9日、名古屋高裁であり、弁護側が請求した京都大医学部の十一元三(といちもとみ)教授(児童青年期精神医学)の証人尋問が行われた。
 十一氏は元女子学生の広汎性発達障害に関し「先天的な脳の組織異常や血流低下が原因で、他者への共感性の欠如や特定の物事への執着が症状として現れる」と説明。「併発していた重度の双極性障害(そううつ病)が偏った思考や衝動を強く後押しし、結果的に犯行を自制できなかった」との見解を示した。
 発達障害のある人は自然科学に興味を抱く傾向があると指摘し、「劇物や死体に執着した犯行態様と一致する」と強調。「中高生時に学校が(障害の)特性に気付いて介入していれば、状況は違った」と述べた。
 3月の地裁判決は、障害が犯行に与えた影響を「一定程度あったが限定的」と判断し、完全責任能力を認めた。12月7日の次回公判では、元女子学生を起訴前に鑑定した医師を検察側証人として尋問する。
 地裁判決によると、元女子学生は2012年5〜7月、仙台市で中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとした。14年12月、名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害。6日後に帰省先の仙台市で青葉区の女性方に放火し、住民3人の殺害を図った。


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2017年11月10日金曜日


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