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津波耐えた桜忘れない 一部伐採へ安全祈願 気仙沼

伐採される桜の前で安全を祈願する関係者

 宮城県気仙沼市神山川の河川堤防建設に伴い、県は13日、川沿いにある東日本大震災の津波に耐えた桜並木の伐採を始める。58本のソメイヨシノのうち39本を切る。9日は現地で安全祈願祭があり、県気仙沼土木事務所の職員らが桜への感謝と工事の安全を願った。
 県は、津波の越流を防ぐため神山川両側の土手を盛り土した上でコンクリート張りにする。
 対象の桜は神山川左岸約600メートルに並ぶソメイヨシノ58本のうちの39本。チェーンソーを使い、11月中には全て切り終える予定だ。
 県は上流分約190メートルの区間にある17本は残し、さらに状態の良い桜2本を選んで市内の公有地に移植する。桜を伐採する左岸の区間(約410メートル)の総事業費は約4億円で、2019年3月の完成を見込む。
 桜は地元住民が40〜50年前に植栽し、手入れしてきた。津波をかぶっても大半が花を咲かせたことで地元では話題となった。県は当初、全ての桜を切る予定だったが、地元住民の反発を受け計画を変更。震災後の隆起分を考慮して一部の桜を残す方針を決めた。
 安全祈願祭には関係者約20人が参加した。神事を近くで見守った同市神山の会社役員の女性(64)は「つらいときに桜を見て励まされたことが何度もあった。残してほしいが、仕方ない」と名残惜しそうだった。


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2017年11月10日金曜日


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