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<仙山線 全線開通80年>難所克服した技術の遺構 土木遺産に

作並駅構内に残る転車台。同駅より先の宮城、山形県境を越えられない蒸気機関車の方向転換に使われた
鉄道のトレッスル橋では日本一高い第2広瀬川橋りょう
仙山トンネルの山形側西抗口。全長約5.4キロは開業当時、全国3番目の長さだった

 JR仙山線は10日、全線開通から80年を迎えた。
 深い峡谷と険しい山々を越えた鉄道技術の遺構は2014年、歴史的な近代土木遺産を顕彰する「選奨土木遺産」に認定され、新たな名所が生まれた。

◎転車台/昭和初期の様子今なお

 土木学会は2014年10月、JR仙山線の転車台など6項目9施設を選奨土木遺産に選んだ。「昭和初期の先端土木・鉄道技術を駆使し、戦後の新幹線の礎となる交流電化発祥の地として世界に誇る」と選定理由を挙げている。
 施設群のうち、昭和初期の仙山線の様子を最も伝えるのが作並、山寺両駅に残る転車台だ。当時は蒸気機関車が中心だったが、両駅間は勾配がきつく、長大な仙山トンネルがあるため走行が難しかった。山深い両駅間は開業当時から直流電化され、電車が走った。
 転車台は作並駅、山寺駅に到着した蒸気機関車をそれぞれ仙台、山形方面にUターンさせるための施設。役割を終えた後、作並駅の構内に長い間埋もれていたが、14年3月に地中から掘り起こされた。

◎熊ヶ根鉄橋/高さ40メートル、随一の名所

 JR仙山線の選奨土木遺産であり、同線を代表する景観が仙台市青葉区にある第2広瀬川橋りょう(熊ケ根鉄橋)だ。
 「トレッスル橋」と呼ばれる形式で、1928年に建造された。高さ約40メートルは現存する同形式の鉄道橋として日本一を誇る。
 同じく青葉区内にある新川川橋りょう、荒沢川橋りょうも認定された。
 戦後、仙山線で交流電化試験が始まると、作並周辺は多くの鉄道技術者らが住んだため「鉄道村」と呼ばれたという。
 仙山トンネルも選奨土木遺産となった。37年の完成当時、全国で3番目に長いトンネルだった。山形側は地質が軟らかく、宮城側は湧水が多いため難工事になった。内部には、列車交換用の信号所がある。


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2017年11月10日金曜日


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