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<羽生結弦>思わぬ試練、五輪へ調整再考も 大技挑み落とし穴

9日の公式練習でジャンプの着地に失敗し転倒する羽生

 羽生に大きな試練が待っていた。確実視されていたNHK杯3連覇を逃し、5連覇の偉業が懸かるGPファイナルにも進めない。平昌に向けた調整プランの再考も迫られる。順風に見えていた五輪連覇は、思わぬ向かい風に見舞われた。
 10日午前11時20分から始まった公式練習。羽生の名前が呼ばれても、リンクに姿はない。曲かけ練習の順番が回って来る。ショートプログラム(SP)「バラード第1番」のピアノの旋律だけが無情に響き渡った。
 国内の大会は今季初めて。日本のファンに直接演技を見せたいという思いが強かったのだろう。連盟の小林芳子強化部長が「競技に出られるよう、必死に治療しています」と強調したのは正午すぎ。約2時間後、正式に欠場が発表された。
 これまで多くのけがに遭いながら試合に出てきた。2014年中国杯は演技直前の練習で他の選手と衝突し頭部を負傷。周囲の反対を押し切って強行出場した。試合出場に強い執念を見せる、その羽生が今回は欠場を決めた。五輪を見据え無理はしないという判断は当然だろう。
 絶対王者の冠を頂いて臨んだ五輪シーズン。時に性急とも思えるほど歩を進めてきた。夏の段階で組み込まないと明言していた4回転ルッツを、2戦目から取り入れたのもその一つだ。ルッツなしでも十分に金メダルを狙う総合力がある。それでも新たな大技にこだわったのはネーサン・チェン(米国)、宇野昌磨(トヨタ自動車)ら強力なライバルの成長を目の当たりにし、焦りがあったからなのか。そのルッツの着地で足を痛めてしまった。
 羽生は五輪代表最終選考会の全日本に出られなくても、選考基準には世界選手権で3位以内の実績のある選手については救済措置が明記されている。けがさえ癒えれば、金メダル候補の筆頭であることは揺るがない。だからこそ、ここで一度立ち止まってみるのも大切かもしれない。(佐藤夏樹)

◎「治療に専念」羽生がコメント

 NHK杯欠場が決まり、羽生は次のコメントを発表した。

 皆さまご心配をおかけしました。NHK杯出場を目指し、昨夜から先生方に懸命な治療をして頂きましたが、残念ながら医師の最終判断で欠場することになりました。今後、治療に専念し、全日本(選手権)に向けて頑張ります。たくさんの応援ありがとうございます。


2017年11月11日土曜日


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