福島のニュース

<大熊町復興拠点>計画認定「復興へ大きな一歩」「6年半は長すぎた」

福島県大熊町が復興拠点の整備計画について説明した行政区長会=9月26日、会津若松市の町仮役場

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域に設ける「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)について、全町避難する福島県大熊町の整備計画が10日、国の認定を受けた。町内の帰還困難区域には町民の96%の住居がある。渡辺利綱町長は「復興へ大きな一歩」と期待するが、現段階で帰還希望者は少なく、真の復興に向けて課題は山積みだ。

 「6年半は長すぎた」。9月26日、会津若松市の町仮役場であった行政区長会。復興拠点に関する町の説明に、井戸川洋一会長(74)は複雑な表情だった。
 井戸川さんが区長を務める大野2区は、復興拠点計画の中心となるJR大野駅周辺にある。約160世帯の住民は県内外へ避難を余儀なくされた。既に避難先で生活基盤を築いた人が多い。町内の自宅は地震やイノシシ、ネズミなどの被害でリフォームが難しい。
 井戸川さんは「みんなが避難先で落ち着き、若い世代もそこで就職している。復興拠点になったからといって喜んで帰る人はいないのではないか」と話す。
 同じく復興拠点に含まれる大野1区の鈴木国郎区長(73)も「避難指示解除はまだ先の話で戻るという人はあまりいない。私も帰りたいが、もう高齢なので戻れない」と嘆く。

 復興拠点から外れた地域では不満がくすぶる。町は帰還困難区域全域の避難指示解除を目標に掲げるが、復興拠点の区域外にある野上1区の木幡仁区長(66)は「期間を明示し、除染してほしい」と訴える。
 渡辺町長は復興拠点に廃炉関連企業の進出が見込まれるとして「(町内の労働者が増えれば)帰町を迷っている人が『自分も戻れる』と思うことを期待する。元々の住民と新住民が共生する町をつくる」と強調。拠点区域外は「太陽光発電や駐車場などに利用できないか協議している。除染を進め、帰れる環境を少しずつ拡大したい」と話す。


2017年11月11日土曜日


先頭に戻る