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<仙台市バス赤字>被災沿岸、山間部で深刻 廃止や減便人口減に拍車も

仙台市地下鉄東西線の荒井駅前を走る市バス。車内は閑散としている=若林区

 営業係数が振るわない仙台市のバス路線は、東日本大震災の津波被災地や山間部の過疎地に目立つ。高齢者が多く、公共交通機関は生活に欠かせない足。バス路線の廃止や減便は一層の人口減少を招きかねず、市交通局が考える経営改善は容易ではない。(報道部・野内貴史)

 津波で壊滅的被害を受けた若林区の沿岸部。震災遺構の旧荒浜小前のバス停で7日午前、市地下鉄東西線荒井駅行きの市バスに乗り込むと記者以外に乗客はいなかった。
 運転手は「夏は(遺構を訪れるために乗る)お客さんが結構いたが、寒くなり少なくなった」と言う。
 バスは被災した田園地帯を進む。途中、荒浜地区から集団移転した住宅団地近くの停留所で高齢女性が1人乗っただけ。そのまま終点の荒井駅に着いた。
 旧荒浜小前のバス停は4月に新設された。それまでは約400メートル内陸側の「南長沼」が終点だったが、旧荒浜小の震災遺構としての公開に合わせ延長された。
 荒井駅と南長沼などを結ぶ深沼線は2016年度の営業係数が585。収入の5.9倍の費用がかかる計算だが、高齢単身世帯が多い被災者や震災遺構見学者の足として重要な役割を担う。
 とはいえ、津波被災地の人口減少は深刻だ。営業係数175で46路線中17位の井土浜線(交通局東北大学病院前−中野など)は、若林区の六郷地区の中心部以東は「ほとんど乗っていない状態」(担当者)だという。
 最も運行効率の悪い八ツ森線は青葉区新川と作並駅などを結ぶ。平日の運行本数は4往復に限られる。作並小新川分校が12年度に休校し、地域の児童が作並小に通学するスクールバスの役割も果たしている。


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2017年11月12日日曜日


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