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<特殊詐欺>「架け子」拠点で10万人分名簿押収 宮城県警、手口解明し被害抑止へ

県警が「架け子」の拠点から押収したUSBメモリーなど

 有料動画サイト利用名目で現金をだまし取る特殊詐欺事件で、宮城県警は電話で相手をだます「架け子」の拠点から約10万人分の名簿を押収した。これほど多数の名簿の押収は県警で初めて。特定ジャンルの動画サイト利用者が載っており、アクセスに心当たりがあることにつけ込んで現金をだまし取る手口が浮かび上がる。県警は名簿を基に被害抑止を目指す。
 架け子の拠点だった東京都杉並区のマンションの一室に9月中旬、県警の捜査員20人が踏み込んだ。昼間でもカーテンを閉めた室内では、広告代理店社長荻野広人(36)=詐欺罪などで起訴=、コンサルタント会社社長酒井大輔(37)=同=の両被告が詐欺の電話をかけようとする矢先だった。
 押収した約240個のUSBメモリーには、北海道から沖縄までの10〜70代の男女計約10万人の氏名や住所、メールアドレス、携帯電話番号などが記された名簿が入っていた。
 県警によると、詐欺グループは名簿を集めて売る「名簿屋」から個人情報を入手し、だましやすそうな対象者を分類して電話をかける手口が一般的。だが、今回の名簿はサイト利用者だけが載り、分類した形跡はなかった。
 名簿登載者に片っ端から「未納料金が発生している。連絡がない場合、法的手続きに移る」などとショートメールを送り、電話が来ると「9割は返金する」と偽り、言葉巧みに入金させていた。
 県警によると、被害者は全国に約100人、被害総額は少なくとも1億円に上るという。捜査関係者は「利用者にも心当たりがあるから、どんどんだませる」と指摘する。
 県警は名簿と全国から提出された被害届のリストを照合し、詐欺組織の実態や手口を解明して被害の拡大防止を図る方針。捜査関係者は「名簿からは犯罪の痕跡が多く読み取れる。今度はこちらが名簿を利用し、振り込め詐欺の撲滅を目指す」と力を込める。


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2017年11月15日水曜日


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