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歯科衛生士足りない!欠員埋まらず現場悲鳴 宮城歯科医師会、離職者の復帰後押し

口腔ケアを行う歯科衛生士。県内では人手不足が深刻になっている=仙台市太白区の歯科医院

 歯科衛生士が足りず、宮城県内の歯科医院が頭を抱えている。口腔(こうくう)ケアや摂食機能訓練が健康維持法として注目される中、専門職の歯科衛生士への期待は高い。だが、養成学校を目指す学生は減り、卒業者数も求人数を大幅に下回る。「需給のミスマッチ」を改善しようと、県歯科医師会はいったん離職した有資格者の復職支援に乗り出す。
 仙台市泉区の歯科医院。1人しかいなかった歯科衛生士が十数年前に退職してから、欠員を埋められずにいる。歯科医2人が治療だけでなく、本来なら歯科衛生士に任せる歯垢(しこう)・歯石の除去、歯磨き指導を行う。
 院長は高齢者向けの訪問診療を開始したいと構想を練るが、患者に指導する歯科衛生士がおらず、なかなか実現できない。「チームで診療するのが理想なのに、これではレーサー自らが車両を整備して運転するようなものだ」と嘆く。
 県歯科医師会が運営する宮城高等歯科衛生士学院(青葉区)では2016年度、51人の卒業生に対し約10倍の求人があった。他の専門学校でも10倍以上の求人が寄せられるという。
 歯科衛生士を目指す学生の減少も、ミスマッチの大きな要因。全国歯科衛生士教育協議会の今年6月の調査によると、163校中55.9%が定員割れ。県内では養成学科を来春新設する専門学校もあり計4校となるが、既に学生の取り合いが懸念されている。
 歯科衛生士はほとんどが女性で、結婚、子育て、親の介護などを理由に退職するケースが多いという。厚生労働省の調査では、16年に県内で働く歯科衛生士は1841人いたが、県歯科医師会は同程度の人数が離職したままでいるとみる。
 こうした現状を受け、県歯科医師会は近く、県の補助を受け、有資格者の復職支援を始める。最新の技術や知識を習得する研修を開くほか、何が復職の障壁になっているのかを調べる。
 県歯科医師会の細谷仁憲会長は「歯科衛生士のやりがいを高校にアピールして学生を集めるとともに、医療の現場から離れた有資格者の不安をなくしたい」と強調する。


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2017年11月17日金曜日


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