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<小動物と暮らす>ウサギ編[3]「保定」して事故予防

 ウサギはデリケートな生き物です。爪を切ったり、薬を飲ませたり、さまざまな処置の際に正しい扱いができないと、骨折、脱臼、誤嚥(ごえん)性肺炎など、大きな事故を招きかねません。
 動けない状態に保つことを専門用語で「保定」と言います。私は絶対にけがをさせないため、その場に最も適した保定法を使い分けながら診察や治療を行っています。
 最初に「ボール法」を説明します。ウサギは後脚を折り畳み、勢いよく脚を伸ばすことにより大きく跳躍します。蹴った瞬間に衝撃を受けると骨折や脱臼といったけがにつながります。
 この方法は体をボール状に丸め、後脚をぴーんと、伸ばしたまま保持することで蹴ることができない状態にします。こうすることで全く動けなくなります。
 こつは、絶対に床から体を浮かせないで、ゆっくり行うことです。体が浮いた瞬間ウサギは暴れます。最後に、両手の親指で耳の後ろを押し、口を肛門近くまで押し込めれば完璧です。この状態なら、向かい合う人に前後の脚の爪を切ってもらうことが可能です。
 もう一つは私が「催眠術」と呼ぶ方法です。これなら一人で爪を全て切ることが可能です。イラストの通り、最初に大きくしっかりと首の皮をつかみ、おなかに手を当ててあおむけにします。この状態で腹筋をリラックスさせてやれば、4本の脚は全て脱力して動かなくなります。
 こつは、人さし指の腹の部分を使って適度な圧をおなかにかけながらゆっくりと胸から下腹部に向かってこすることです。熟練が必要ですが、できるようになれば非常に便利です。爪切りばさみを利き手で操作するようになるので、利き手でないほうの手でしっかりと首の皮をつかめるかどうかがポイントです。
 次回は、また別の保定法を紹介していきます。
(獣医師)


2017年11月17日金曜日


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