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絶滅危惧種チュウヒ繁殖 タカの一種 三沢・仏沼で7年ぶりに確認 水位調節奏功か

仏沼を舞うチュウヒ(展示パネルから)
撮影されたチュウヒのひなの写真を手に説明する麦沢事務局長

 三沢市のラムサール条約登録湿地・仏(ほとけ)沼で今夏、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているタカの一種チュウヒが7年ぶりに繁殖に成功したことが分かった。仏沼は人の手が加わることで野生生物の生態系が形成された場所で、今回の事例も「水位調節が効果的に作用した」と関係者らはみている。

 仏沼の環境保全などに取り組むNPO法人「おおせっからんど」(八戸市)が17日、発表した。
 チュウヒは今年9月、種の保存法で保護の対象となる国内希少野生動植物種(希少種)にも指定された。国内では冬に見られるほか、ヨシ原などで春から夏に繁殖する例もある。秋田県の八郎潟などが繁殖地として知られており、仏沼で最後に繁殖が確認されたのは2010年だった。
 おおせっからんどの麦沢勉事務局長によると、今年は仏沼で2組のつがいの営巣があった。うち1組の巣で7月にひな4羽を確認。8月には少なくとも1羽が巣立った様子を観察した。
 仏沼では近年、湿地が乾燥しすぎたり、逆に水がたまりすぎたりして環境の不安定な状態が続いていた。
 おおせっからんどは市と共同で数年前、水がたまりすぎた場所のうち1カ所で、特定外来生物の駆除を兼ねて水抜き作業を実施した。今年1月には木製の簡易ダムを設置して排水量を調節。適度な水位を維持した結果、繁殖を確認した。
 仏沼は鳥類のオオセッカ(ヒタキ科)の国内最大繁殖地として知られるが、繁殖に適した水量について、チュウヒと違いもあるという。麦沢事務局長は「人為的な管理は新しい取り組み。どちらかの生態に合わせることはできないが、未来につながる環境づくりを探っていきたい」と話した。
 7月に撮影されたひなの写真は、三沢市の青森県三沢航空科学館で開催中の「おおせっからんど 仏沼パネル展」(23日まで)で展示されている。


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2017年11月18日土曜日


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