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強い甘味「山内にんじん」、日本一辛い?「松館しぼり大根」…秋田伝統野菜、消費拡大へ

(手前左から)石橋ごぼう、山内にんじん、松館しぼり大根など伝統野菜が並ぶ青果店

 秋田県内の「伝統野菜」=?=の消費拡大を図ろうと、県や流通業者、飲食店が力を入れている。味に特徴がありながら知名度が低い野菜もあるため、大型店内に特設コーナーを設けたり、メニューに取り入れたりしている。今月は伝統野菜を使った料理を提供する催しも県内の飲食店などで展開中で、広く浸透を目指す。

 秋田市の台所、市民市場(秋田市中通4丁目)の青果店「あいば商店」は旬の伝統野菜を積極的に扱っている。今月上旬には、きりたんぽ鍋に欠かせない湯沢市の「三関(みつせき)せり」、甘味の強い横手市の「山内(さんない)にんじん」、日本一辛いとされる鹿角市の「松館しぼり大根」など約10品目が並んだ。
 店主の相場百恵さん(29)は「伝統野菜は味や香りが強い。山内にんじんは加熱するとサツマイモのように甘くなる」と評価する。
 県内に30品目ある伝統野菜の栽培農家は、高齢化などで減りつつある。品種改良が進んだ一般的な野菜と比べて病害虫に弱いため栽培が難しく、収穫量は少ない。県外の飲食店から引き合いがある三関せりや松館しぼり大根以外の多くは、生産地周辺でしか消費されていなかった。
 県園芸振興課は2014年、県内の消費量を増やす取り組みを始めた。伝統野菜を(1)出荷量が多く認知度が高いもの(2)出荷量は少ないが生産者が若く伸びしろがあるもの(3)生産農家が少ないもの−に分類。(2)と(3)に力を入れる。15年には、秋田市の大型ショッピングモールの野菜売り場に伝統野菜のコーナーを設置してもらった。
 飲食店やパン店なども実行委員会を発足させ、同年に伝統野菜を使った料理を提供する「あきた伝統野菜まちめぐり」を始めた。今年は今月の1カ月間、県内25店が参加する。
 このうち、秋田市大町のフランス料理店「レストラン ルセット」は14年の開店以来、伝統野菜を取り入れている。今月は大仙市の石橋ごぼうを使ったパスタや山内にんじんのポタージュスープを提供している。
 実行委会長で店主の野口かおりさん(56)は「取り組みを続けることで興味を持つ飲食店は増える。店で食べてもらい、消費者がスーパーで買ってみようと思うきっかけにしたい」と話す。

【秋田の伝統野菜】
 秋田県は(1)昭和30年代以前から県内で栽培(2)人名、地名など県に由来(3)種子や苗が現在もあり、生産している−の3条件を満たす野菜と定義している。県の特産品となっているジュンサイやとんぶりのほか、枝豆、ゴボウ、ネギなど一般的な野菜でも地域固有の品種がある。


関連ページ: 秋田 経済

2017年11月18日土曜日


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