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<指定廃>最終処分開始 不安と評価、福島複雑

福島県楢葉町の焼却施設から処分場へ搬入され、トラックの荷台から下ろされる廃棄物=17日午前11時30分ごろ、同県富岡町

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の指定廃棄物などを埋め立てる国の最終処分場が17日、同県富岡町で稼働した。自治体などは保管する廃棄物搬出への一歩と評価したが、受け入れる地域には風評被害などへの不安が根強い。住民は「とにかく安全に進めてほしい」と願った。

 焼却灰や汚泥、稲わらなどの指定廃棄物は9月末現在で11都県に計約20万トンあり、福島県分が17万トンを占める。場所の確保など保管に頭を悩ます自治体や廃棄物処理業者は少なくない。
 一般ごみの焼却灰などを大量に管理する郡山市清掃課の担当者は「処分場の地元を思えば複雑だが、ようやく始まり安心している」と稼働を歓迎する。
 国は指定廃棄物を各都県で処分する方針だが、住民の反対などで福島県以外は計画が進んでいない。同県でも地元住民らは割り切れない思いを抱える。
 富岡町から郡山市に避難する女性会社員(52)は帰還意欲への影響を懸念する。町の避難指示は今春、一部を除いて解除されたが、戻った町民は人口の3%。「運搬時の安全性に不安が残る。町民の帰還の妨げにならなければいいが」と不安視する。
 搬入路のある楢葉町の地元行政区では稲作が一部再開された。上繁岡行政区の農業佐藤充男さん(73)は「放射能と聞いただけで抵抗感を示す人がいる」と風評被害を憂慮する。佐藤さんは「反対だが諦めるしかないのが現実。始まった以上は安全な運営をお願いするしかない。集落を維持できる対策も求めたい」と話した。


2017年11月18日土曜日


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