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<ニュース深掘り>仙台市選管また不手際 他に学び抜本的改革を

開票トラブルの対応に当たる仙台市青葉区選管の職員=10月23日午前11時5分ごろ、青葉区の「クローバーズ・ピアワッセ」

 10月22日に投開票された衆院選と宮城県知事選で仙台市選管の開票作業が大幅に遅れ、選挙結果の確定が23日昼ごろまでずれ込んだ。市では2014年の前回衆院選で青葉区選管による白票の水増しが発覚して以降、投開票事務の不手際が続く。職員の意識が問われるのは当然だが、市選管が定める複雑な事務手順がミスを誘発した可能性を指摘しておきたい。他の自治体を参考に、マニュアルを見直すべきだ。
 市選管の開票作業は終了予定の23日午前4時半を過ぎても続き、太白区選管で午前9時まで、青葉区選管で午前11時半までかかった。史上初の衆院選と知事選の同日選を無事に乗り切ることを願ったが、過去の経緯から「やっぱり」と複雑な気持ちになった。
 宮城野区を除く4区は各投票所で投票者数を集計する「投票録」の作成に手間取り、そもそも開票自体が予定より20〜50分遅れで始まった。その上、青葉区は3カ所の投票所で投票録の記載内容を誤っていた。投票者数と投票総数が合わず、結果的に全体の開票作業の遅れにつながった。
 投票者数の集計ミスは14年衆院選で白票を水増しする引き金になった。素早く正確な投票録の作成こそ開票事務の基本だ。ところが市選管のマニュアルが定める手順には、それらを追求する点で首をかしげたくなる部分がある。
 投票所では入場整理券の枚数と投票用紙の交付記録に基づき、手作業で投票者数を集計する。整理券は衆院選小選挙区と比例代表、最高裁裁判官の国民審査、知事選をそれぞれ投票したか棄権したかに応じ、15ものパターンに分類してから数えることになっていた。
 この作業は煩雑過ぎるのではないか。投票者数の集計の遅れや誤りにつながった一因と考えざるを得ない。市選管は「集計結果の点検に必要」と言うが、他19政令市で同様の分類をするのは新潟市だけ。投票と棄権の場合分けを把握する意味があるとは思えない。
 市選管は投票者数の手作業での集計を今後も続ける考え。選挙人名簿の電子化に巨額の費用がかかり、パソコン集計の導入には難色を示す。ならばなおのこと、作業を最大限に簡素化し、効率性に十分配慮するべきだろう。
 開票作業の遅れに比べれば目立たないが、問題の根深さを感じたのは知事選の期日前投票の事務ミスだ。
 県外転出で投票資格を失った人に投票用紙を渡すミスはまず10月11日に発生した。同20日に2件目、翌21日に3〜5件目が起きた。情報共有の態勢に根本的な欠陥があるのは明らかだ。
 市選管は他自治体の選管に学び、内部で常識とされてきた事務手法を一から見直してほしい。視察や研修でスキルアップを図る選管は全国に少なくない。
 相模原市選管は隣接する東京都町田市選管と協力関係にあり、7月の都議選に職員を派遣した。千葉市選管は千葉県内の他市と毎年、先進事例を視察する。横浜市選管は衆院解散のため中止したが、皮肉にも青葉区のアエルの期日前投票所を見学に来る予定だった。
 翻って仙台市選管は他自治体に職員を送り込んだ実績がなく、フットワークの悪さが際立つ。市長選、知事選、衆院選と続いた本年度から一転、来年度は差し当たり選挙の予定がない。汚名返上に向け、改善の好機と捉えるべきだろう。

<メモ>青葉区選管の白票水増し問題 14年12月の開票作業中に当時の区選挙課長と係長の2人が、誤差が出た投票者数と投票総数のつじつまを合わせようと、衆院選小選挙区と比例代表で白票を増やすなどした。元課長は最高裁裁判官の国民審査でも票を操作した。仙台簡裁は2人に罰金の略式命令を出した。市は不正を知った時期を偽って報告した当時の区選管事務局長を加えた3人を懲戒免職処分とした。(報道部関川洋平)


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2017年11月20日月曜日


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