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<オトナの工場見学>のれん、手拭い…普段使いの布小物 生地に染み込む職人魂

製作中ののれんを染める職人の女性

 ものづくりやさまざまな事業を担う工場の見学は子どもたちだけのものじゃない。大人が思わず行きたくなる工場を宮城県内で探した。

(1)永勘染工場(仙台・若林)

 「創業明治弐拾(にじゅう)年」と書かれた趣あるのれんをくぐり、引き戸を開ける。染料のつんとしたにおい、床に飛び散って染み込んだ黒、白、グレーの滴。「永勘(ながかん)染工場」は、江戸時代初期から染師の町として栄えた仙台市若林区南染師町の一角にある。
 「工程はほとんどが手作業。愛情を持って使ってほしい」。5代目の永野仁輝専務(40)が言う。扱うのはのれん、はんてん、前掛け、手拭い、タオルなど。全てオーダーメードで、インターネットでの注文が約7割を占める。
 職人は20〜40代の男女6人。バンダナを頭に巻き、丁寧に、だが素早く、生地に命を吹き込む。
 2階に上ると、職人歴3年の女性(25)が染料を付けたはけを引いて染める「引き染め」の最中だった。柱と柱の間に白地ののれんを張り、はけを動かす。かたどられた文字が、紺色にむらなく染まっていく。
 色は商品ごとに調合する。粉状の染料を水に溶かして混ぜ合わせ、客が望む色に近づける。職人と客の双方が納得するまでやり直すことも多い。手作業ゆえ、全く同じ色が再び生まれることはない。
 「技は伝統的だが、商品は普段使いの物。若い人が染め物に興味を持ってくれればうれしい」と永野さん。工場裏の駐車場で、完成間近ののれんが気持ちよさげに風に揺られていた。(岩田裕貴)

◎ここも楽しみ!
 昔は染め物の洗い場だった工場前の七郷堀。藩制時代に開削された農業用水路で、堀沿いには史跡や歴史ある神社などが点在する。

[永勘染工場]所在地は仙台市若林区南染師町13。商品製作や問い合わせの受付時間は平日午前9時〜午後6時。定休日は土日祝日。工場見学は事前連絡が必要。希望があれば体験教室の開催も検討する。連絡先は022(223)7054。


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2017年11月20日月曜日


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