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<減反廃止>政府与党の議論開始 交付金の代替が焦点

 2018年産からのコメの生産調整(減反)の廃止を前に、新たな需給調整の在り方を巡る議論が政府与党内で始まった。農協グループは供給過剰による値崩れを懸念。流通関係者が設立する需給調整組織への財政支援を求めるが、生産者の経営判断を重んじる農林水産省は消極的だ。生産調整関連の交付金が一部なくなる中、米どころの東北の選出議員は「水田フル活用のため予算確保が重要」と代替措置の必要性を指摘する。政府与党は11月中にも議論を集約する。

 全国農業協同組合中央会(全中)は9日、18年産以降のコメ政策に関する政策提案を公表。全中など生産者団体や流通業者が設立する「全国組織」に対し、運営経費を支援するよう国に求めた。
 18年産以降のコメの生産量は現段階で、県や農協中央会などでつくる「農業再生協議会」が従来の県産米のシェア、事前契約数量を考慮して県単位の生産量を決める方式が主流だ。
 全国組織は再生協が算出した生産量を積み上げ、国産米全体の需給バランスを計算。各産地に需要に応じた生産をするよう情報を提供する。
 近年、各産地では高価格の一般家庭向けブランド米の生産を目指す動きが活発化している。一方で中食、外食に使われる業務用米は不足が続く。こうしたミスマッチ解消に向けた情報提供にも取り組む見通しだ。
 これに対し農水省は、既に同省主催の会議に都道府県の担当者、農業団体、コメ卸の業界団体などが集まり、作付け動向や需給見通しに関し情報交換を進めている点を強調する。
 全国組織というさらなる需給調整システムの設置には「行政による配分に頼らず、生産者を中心に需要に応じた生産を行う新コメ政策の趣旨と矛盾しないのが前提」と予防線を張る。
 17年産限りで廃止される「コメの直接支払い交付金」の代替措置も焦点だ。減反参加農家を対象に10アール当たり7500円を支払ってきたが、18年産からはゼロになる。全中は「需要に応じた生産に取り組む生産者の所得向上にその財源を活用すべきだ」と求める。
 農水省はここ数年間で農業予算が増えたことを挙げ、「コメの直接支払い交付金がなくなる分、麦や大豆、飼料米への転作支援として既に先取り的に確保している」と説明する。
 10日の自民党会合では、同省側の説明に農林族の不満が噴出した。平野達男参院議員(岩手選挙区)は「コメ消費が減る中、主食用米を作付けできなくなる水田で何を生産するのか。しっかりとした恒久的財源を付けてほしい」と訴えた。


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2017年11月20日月曜日


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