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<大川小控訴審>遺族ら落胆 生き残った男性教務主任の尋問見送り「全て聞きたかった」

仙台高裁での進行協議後に記者会見する遺族ら=仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 石巻市大川小訴訟の控訴審で、地震発生時に校内にいた教員で唯一生き残った男性教務主任の証人尋問が見送られた。遺族にとって、児童が犠牲になった当時の状況を知る「最重要証人」。公の場で証言する機会が事実上失われ、記者会見した遺族らは落胆を隠せなかった。
 「事前の学校の備えや震災時の校庭の状況、全てを聞きたかった」。6年の長男大輔君=当時(12)=を亡くした原告団長の今野浩行さん(55)はこう語り、表情を曇らせた。
 一審仙台地裁でも教務主任の尋問を求めたが、かなわなかった。今野さんは「先生から話を聞くこと自体が裁判を起こした目的でもあった」と明かした。
 教務主任への遺族の思いは複雑だ。6年の三男雄樹君=当時(12)=を失った佐藤和隆さん(50)は「堂々と遺族の前に出てきて、何があったかを教えてほしい」と強調。5年の次女千聖(ちさと)さん=当時(11)=が犠牲となった紫桃隆洋さん(53)は「(法廷で)子どもたちに『ごめんね』と言える機会があれば、先生も新しい生活ができるという気持ちがあった」と吐露した。
 控訴審は来年1月23日の次回口頭弁論で結審する見通し。遺族らは今後、訴訟とは別に教務主任と面会する機会を探るという。


2017年11月21日火曜日


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