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<大川小控訴審>教務主任は証人不採用 来年1月23日結審

大川小の被災校舎=2016年10月26日、宮城県石巻市

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審の進行協議が20日、仙台高裁であり、小川浩裁判長は2018年1月23日に次回の口頭弁論を開き、結審する方針を示した。地震発生時に校内にいた教職員11人のうち唯一生き残り、遺族と市・県が共に証人申請した男性教務主任は不採用とした。
 双方の代理人弁護士によると、小川裁判長は非公開の進行協議で「教務主任への尋問をあえてする必要はない」と述べた。遺族が請求した震災当時の大川中元校長の尋問も見送った。
 市・県は7月の口頭弁論で男性教務主任への書面尋問を申請。遺族は「事実がゆがめられる可能性がある」と法廷での尋問を求めたが、市・県は「重度のうつ病」とする主治医の意見書を提出し、「直接の尋問には耐えられない」と反対していた。
 控訴審では学校の事前防災も主な争点となり、大川小の元校長や当時の市教委幹部ら計4人の証人尋問を実施した。高裁は組織的な過失の有無に関し、立証が尽くされたと判断したとみられる。
 教務主任は校内で、津波の犠牲になった教頭に次ぐ立場。震災後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。遺族は一審仙台地裁でも「児童が犠牲になった状況を知る唯一の人物」として尋問を求めたが、却下された。
 高裁は次回の弁論終結後に遺族と市・県に和解の意思を確認する方針も示した。双方の意見を踏まえ、和解協議を進めるかどうかを判断するとみられる。
 昨年10月の地裁判決は教員らが津波の襲来を約7分前までに予見できたと判断。教員の過失を認め、市・県に計約14億2660万円の賠償を命じた。


2017年11月21日火曜日


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