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<Eパーソン>タイ人誘客 仙台軸に/みちのくインバウンド推進協議会・熊谷芳則理事長

くまがい・よしのり 専修大卒。着物販売会社を起業した後、家業の日本料理店などを経営。1997年にホテル業に進出し、99年からホテルリッチ酒田社長。59歳。酒田市出身。

 東北の観光事業者などでつくる社団法人「みちのくインバウンド推進協議会」(山形県酒田市)が来年2月、仙台空港を利用したタイ人観光客向けチャーター便ツアーを実施する。協議会は2015年に宿泊や飲食、交通事業者ら民間主導で設立。これまで「地元」の庄内空港を多用してきたが、なぜ今回は仙台空港なのか。狙いを聞いた。(聞き手は酒田支局・亀山貴裕)

 −ツアーの特徴は。
 「タイ・バンコクから280人乗りの航空機で仙台空港に飛び、そこから班ごとに東北各地を回る。協議会はこれまで計9回、岩手、宮城、秋田、山形の4県を巡るインバウンドツアーを行った。その経験を生かしたツアーになる」

 −仙台空港を使う狙いは。
 「チャーター便ツアーを定期化し、将来的に(2014年に休止した)仙台−バンコクの定期便の再開につなげたい。物価が日本の3分の1程度のタイの観光客にとって、乗り継ぎが必要な庄内空港の利用は旅費の負担が大きい」
 「協議会はタイのメディア向けツアーを3回、山形県の事業として旅行会社向け視察ツアーを1回実施した。東北の自然や文化、おもてなしは非常に好感を持たれたが、乗り継ぎ航空運賃や羽田空港からのバス料金は不評だった」

 −訪日外国人旅行者(インバウンド)に力を入れる理由は。
 「人口減少が深刻さを増す地方では、公共投資に頼らない新たな産業を興さなければ先はない。インバウンドは即効性のある新産業として期待できる」
 「海外からの昨年の観光客は2400万人、消費額は3兆7000億円を超えた。20年までにインバウンド客を4000万人とする政府の目標が現実味を帯びる中で、東北には全国の1%しか宿泊していない」

 −これからの課題は。
 「『TOHOKU』として県境を越えた情報発信は不可欠。旅行会社の企画責任者を招いた視察ツアーを重ね、東北の魅力に触れてもらうことが大事だ。発展途上の東南アジアでは団体客をターゲットにした誘客策の方が効果が出そうだ」
 「タイ直航便を運航するにも東北、国内からの搭乗率を高める必要がある。内向き志向の若者の目を海外に向けさせるため、成人式に自治体がパスポートを無料で配るような大胆な取り組みがあってもいい」


関連ページ: 山形 経済

2017年11月21日火曜日


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