宮城のニュース

軽妙寸劇 詐欺被害防ぐ 石巻署河南駐在所のおしどり夫婦

寸劇を熱演する尚昭さん(右)と由美子さん=15日、宮城県石巻市広渕

 石巻署河南駐在所(宮城県石巻市)の所長佐藤尚昭警部補(58)と妻由美子さん(57)が、住民に特殊詐欺への注意を促す寸劇を二人三脚で演じている。軽妙な掛け合いは、おしどり夫婦だからこそなせる技。強いインパクトを与える奇抜な衣装で詐欺の手口を分かりやすく伝え、聴衆からは好評だ。

 石巻市広渕の集会所で15日に披露された寸劇。紫のカツラにハート形のサングラスを身に着け、うその電話をかける「架け子」に扮(ふん)した由美子さんが被害者役の尚昭さんに電話する。
 「2000株の名義変更に200万円必要だから送金して。後で2200万円を振り込む」
 話を信じた尚昭さんが「2200万円ももらえるなんて親切だ」と現金を振り込み、だまされて終わる。
 参観した近くの主婦山田こうさん(80)は「2人の掛け合いが面白く、分かりやすい。特殊詐欺は怖いと実感した」と話した。
 尚昭さんは大河原署村田駐在所(宮城県村田町)に配属された2013年、同僚2人と寸劇を始めた。管内で町民が現金をだまし取られる事件があり、「寸劇なら被害を理解しやすい」と考えたのがきっかけだった。
 尚昭さんは気仙沼署小原木駐在所(気仙沼市)に勤務時、東日本大震災を経験。発生直後、由美子さんは2000個以上のおにぎりを作り、避難所で配るなどした。村田駐在所に移った後、住民に「津波被災のことが知りたい」と頼まれ、当時の体験を伝える語り部活動にも携わった。
 村田駐在所の同僚が勤務の都合で寸劇に関わりづらくなり、尚昭さんは由美子さんに出演を依頼。困惑したが、語り部活動を通じて住民と親しくなっていたこともあり、引き受けた。今年4月に河南駐在所に異動した後も夫婦寸劇を続け、既に7回公演した。
 由美子さんは「住民の方に『奥さんがいると安心』と言われると頑張ろうと思い、寸劇も続けている」とはにかんで笑う。
 2人は結婚35年目。11月22日の「いい夫婦の日」に誕生日を迎える尚昭さんは、「妻の協力に感謝しています。河南駐在所の(夫婦( めおと )漫才コンビの宮川)大助・花子ですよ」と、照れ隠しの冗談で伴侶をねぎらう。


関連ページ: 宮城 社会

2017年11月22日水曜日


先頭に戻る