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<宮城県原子力防災訓練>女川原発事故想定 県と7市町が休日訓練、住民避難で課題も

車から降り、避難先の宮城県栗原合同庁舎に向かう女川町の住民=23日午前11時50分ごろ、栗原市築館

 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の重大事故を想定して宮城県と同原発30キロ圏の7市町が祝日の23日に実施した県原子力防災訓練で、住民約400人が初めて避難ルートを確認した。圏内の7市町が今年3月末までにまとめた計画では、計20万人以上が31市町村への避難を余儀なくされる見通し。住民移動で想定される大渋滞や、避難先自治体の受け入れ態勢整備に課題が残った。
 立地する女川町、石巻市の住民による広域避難訓練などが、参加しやすい休日に初めて行われた。
 原発5キロ圏内の同町の離島・出島では、旧女川四小・二中を改修した放射線防護施設に島民4人が避難し、マイカーで寺間港に向かった。港で海上保安庁職員から放射性物質の付着状況について検査を受けた後、係留された海保の巡視艇に乗り込んだ。
 寺間地区の区長を務める自営業須田菊男さん(69)は「防護施設にとどまれるのは数日程度と聞く。悪天候時に船やヘリコプターが島に来られるか疑問だ」と指摘し、「不安は拭いきれない」と言う。
 栗原市の県栗原合同庁舎には午前11時50分ごろ、同町五部浦地区の40〜80代の6人がワゴン車で到着。参加者は当初予定の15人から仕事などで急きょ減った。
 同地区大石原行政区の石森昌義区長(78)は「高齢者が多く、実際はどの程度円滑に避難できるか不安。渋滞も起きるはずだ」と指摘。「風向きで経路の危険性、安全性が変わる点を考慮した計画になっているのだろうか」と懸念を示す。
 無職阿部由美子さん(67)も「今回は車に乗せてもらったが、いざ自分で逃げるとなれば道に迷い、混乱するだろう」と話した。
 石巻市牡鹿地区の13人も大崎市への避難訓練に参加。ただ石巻、女川両市町は大崎、栗原両市と避難者の受け入れ協定を結んでいないため、県と石巻市、女川町の職員が避難先の対応に当たらざるを得なかった。
 県の阿部孝雄原子力安全対策課長は、避難路の渋滞対策について「まず原発5キロ圏の住民避難を優先し、他の30キロ圏住民には屋内退避を促したい」と説明。避難先自治体の受け入れ態勢に関しては「協定を結んでもらえるよう県としても努力する」と理解を求めた。


2017年11月24日金曜日


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