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電磁波ノイズを精密測定 秋田県と地元2企業、世界初の装置試作

完成した試作機(右)。ノイズの高い場所がパソコンの画面上で赤く表示される
同じ電子基板を従来の測定器(上)と新測定器(下)で計測した結果。赤い部分がノイズを検出した場所。新測定器は場所を特定できている(県産業技術センター提供)

 秋田県産業技術センターは、機械メーカーの三栄機械(秋田県由利本荘市)、計測機器製造のケーエンジニアリング(秋田市)と共同で、電子機器から出る電磁波ノイズを従来の100倍の精度で測定できる装置「マイクロ波帯EMCスキャナ」の試作機を製作した。同センターが開発した、測定器自体のノイズが結果に影響を及ぼさない世界初の技術を応用した。ノイズ源を高精度に特定することで、中小企業などの電子機器開発が効率化できる。
 従来の測定器は、携帯電話や無線LANで利用が増えているマイクロ波(3ギガヘルツ以上)の測定精度が低かった。今回、測定部分に特殊な半導体を使うことで電線や金属部品を減らし、測定器のノイズを抑えることに成功。測定精度を飛躍的に向上させた。
 試作機の本体はカメラを内蔵し、電子部品や基盤のどの部分からどの程度のノイズが出ているのかを、1ミリ以下の精度でパソコン上に表示する。これまで捉え切れなかった1〜6ギガヘルツのノイズを測定できる。
 電磁波ノイズは人体や他の機械、航空機の運航に影響を及ぼすことがある。発生源は特定しづらく、ノイズを一定以下に抑えるため、電子機器の開発の際は部品の組み合わせ方や配線の工夫で対応している。手探りの作業を強いられ、経験に頼る部分も多いという。
 新装置の基礎となる理論は、同センター先端機能素子開発部の黒沢孝裕主任研究員(47)が2012年ごろに発見。機械部分を三栄機械が、ソフトウエアや電子回路をケーエンジニアリングが主に担当した。
 ケーエンジニアリングの金野正史社長(46)は「互いの得意分野を生かすことで、性能、コスト両面でより良いものができた。技術自体は自動車の衝突防止に使うミリ波にも応用できる」と期待する。
 試作機は研究施設などに貸し出し、19年度以降の製品化を目指して開発や改良を進める。
 黒沢主任研究員は「新装置を使うことで、ノイズ源の特定が容易になる。県内に多い中小の部品メーカーの新製品開発を後押ししたい」と話す。


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2017年11月24日金曜日


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