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<東海第2原発>再稼動へ資金調達が焦点 東北電・東電と協議難航も

記者会見で、債務保証に関する質問に答える東北電の原田社長

 日本原子力発電が東海第2原発(茨城県東海村)の20年の運転延長を申請したことを受け、原電の株主で東海第2の電気を購入してきた東北電力と東京電力ホールディングス(HD)の対応が注目されている。東海第2は再稼働への安全対策工事に約1740億円が必要で、原電は資金調達に両社の支援を求めている。課題は多く、協議が長引く可能性もある。
 原電は保有する4基のうち2基が廃炉中で、2基は停止したまま。発電量はゼロで財務状況は厳しく、東北電など5社から毎年受け取る1000億円超の基本料金で存続する。
 東海第2は原子力規制委員会の審査がほぼ終わったが「(安全対策工事の)資金調達の見通しを確認するまで(再稼働は)許可しない」と異例の指摘を受けた。
 原電は2020年度完了目標の安全対策工事の費用を金融機関から借りる考えだが、信用力はない。このため、東海第2を共同開発し、電気のうち8割と2割をそれぞれ買ってきた東電HDと東北電と、債務保証を含めた資金手当ての協議を進めている。
 東北電は態度を明らかにしていないが、原田宏哉社長は今月の記者会見で「東海第2が再稼働すれば(東北電の火力発電所の)燃料費を抑制できるメリットはある」と説明。東電福島第1原発事故後、原電の資金調達で債務保証していることを踏まえ、「債務保証は情勢をそのつど総合的に判断する」と述べた。一方、東電HDは原発事故後に国の支援を受けており、「債務保証する資格がない」との見方がある。
 東海第2の30キロ圏内には国内の原発で最多の約100万人が住み、地元は再稼働に慎重だ。また原電が審査中の敦賀2号機(福井県)は原子炉建屋直下に活断層がある可能性が指摘され、再稼働は難しい。東海第2が再稼働できなければ、原電の経営は行き詰まる。
 原子力資料情報室(東京)の松久保肇事務局長は「東北電にとって、東海第2の支援にどれほどメリットやリスクがあるのか、株主や利用者に説明する必要がある」と話した。

[日本原子力発電]1957年に設立された原発専門の発電会社。東京電力ホールディングスを筆頭に大手電力9社と電源開発が出資している。国内初の商用原発の東海発電所(茨城県)は98年に営業運転を終了。敦賀1号機(福井県)は東京電力福島第1原発事故後に廃炉が決まった。残る東海第2と敦賀2号機は停止しており、再稼働に向けて審査中。電気を売れなくても供給先の大手電力会社から受け取れる基本料金が主な収益源となっている。2017年3月期連結決算の売上高は1099億円、純損益は64億円の赤字。


2017年11月25日土曜日


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