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震災構造、地質で解説 日本学会が「東北編」刊行「災害理解の史料に」

刊行された「日本地方地質誌 東北地方」を手にする編集委員長の吉田さん

 東北の地質に関する研究成果から、東日本大震災の発生メカニズムを詳しく解説した「日本地方地質誌 東北地方」(日本地質学会編)が出版された。地震や津波、噴火など自然災害の理解に欠かせない資料となっている。

 総論では、太平洋プレートが陸側のプレートに沈み、東西方向から強い圧縮する力が働く東北の基本的な構造を説明。活発な地殻活動で隆起した奥羽山脈の山々を各論で紹介し、火山や活断層の運動に触れた。
 地震学者が執筆に協力した「2011年東北地方太平洋沖地震」の章では、豊富なデータを基に震源域の地質、地形の形成史を47ページにわたって詳しく述べた。
 東西方向の圧縮に加え、南北双方から受ける力に着目。震源域付近では圧力を受け続けて断層がくっつき合っており、いったん断層が滑ると次々に連動し、地震が広域化、巨大化しやすくなる可能性を指摘している。
 東北の大学や研究機関に所属する地質学者ら35人が執筆した。2011年3月が原稿の締め切りだったが、震災発生を受けて大幅に構成を変更。予定していた刊行時期が5年ほど延びた。
 編集委員長の吉田武義東北大名誉教授(岩石学)は「専門的な内容だが、平易な記述を心掛けた。東北の地質構造の発達史を理解することは、防災や減災を進める上で極めて重要になる」と話した。
 B5判、712ページ。税込み2万9160円。東北編刊行により、全8巻の日本地方地質誌が完結した。連絡先は出版元の朝倉書店03(3260)7631。


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2017年11月25日土曜日


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