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がんで命落とす若者減らしたい 娘を亡くした男性の寄付金を基に、山形県が検診費用助成へ

山形県に200万円を寄付した大場さん

 若い世代にがん検診を広めたい−。山形県は12月、長女をがんで失った男性からの寄付金200万円を基に、20〜30代を対象にがん検診費用の一部を補助する新しい事業を始める。「若い人が親より先にがんで命を落とすのは悲しすぎる」。男性は事業が少しでも長く続くように、2018年以降も寄付を続ける考えだ。

 県に寄付したのは、建設会社や社会福祉法人を営む最上町の大場利秋さん(69)。昨年1月、長女久美子さん=当時(35)=を大腸がんで亡くした。
 久美子さんは10代の頃から福祉の仕事に興味を持ち、東北福祉大を卒業後、父が理事長を務める社会福祉法人に入った。
 社会福祉士の資格を取り、最上町と村山市、大崎市の施設を統括するなど、充実した職業生活を送っていた15年2月、ひどい便秘に悩まされ、受診した病院で大腸がんが見つかった。
 病状は既に進んでいて、入院中には「がん検診をもっと早く受けていたら、手遅れにならなかったのかな」と漏らしていたという。
 「親よりも早く逝ってしまった。何とか助けてやりたかった」と大場さん。悔しさは今も変わらない。
 県によると、大場さんの寄付金を活用した事業は県内に住む20〜30代が胃がんや肺がん、乳がん、大腸がんの4種の検診を各500円の個人負担で受けられるようにする。
 公益財団法人「やまがた健康推進機構」(山形市)に委託し、県内4地域の5カ所にある検診センターで検診を実施。各センターで月2回、来年3月まで実施し、計約1000人の検査費を助成する。検査時には、乳がんの自己検診や正しい生活習慣について啓発する健康教室も併せて実施するという。
 大場さんは「娘の遺志なので、今後も寄付を続けたい。寄付することで善意の輪が広がり、事業が少しでも長く継続することを期待したい」と話している。


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2017年11月26日日曜日


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