宮城のニュース

<仙台満店>新鮮 生アナゴに舌鼓

仕入れやシャリ切り(酢合わせ)から、全てを一人でこなす西村さん。一滴の血も漏らさずさばかれたアナゴは、美しい光沢を放つ
生アナゴ(左)と煮アナゴ(いずれも1貫400円)。合わせる酒は、塩釜の銘酒「浦霞 禅」のほか、主張し過ぎない「浦霞 本醸造辛口」もお薦め

◎すし/松島 寿司幸(まつしま すしこう)(宮城県松島町)

 「観光地だから…」と侮るべからず。日本三景・松島を望む市街地のど真ん中に、名店「寿司幸」があります。
 松島名物といえばアナゴ。一押しは、珍しい生のにぎりです。引き締まり盛り上がった半透明の身の美しさに、まずほれぼれ。パウダー状の塩を振られたそれを口に入れると、跳ね返るような弾力とうま味に驚きます。こんなアナゴ、初体験。
 定番の煮アナゴの握りは、身が厚くふわふわで、口の中でとろける食感。潔く砂糖としょうゆだけを煮詰めたたれとよく合います。余韻を楽しむうちに、米の甘みが追い掛けてきて一体に。何ておいしいんだろう。
 新鮮で上質なアナゴが手に入る産地、磨き上げた腕前、生け締めしか仕入れないこだわり。それらがそろう店でのみ味わえる至福です。
 親方の西村寛起(ひろおき)さん(49)は18歳で上京、日本橋ですし職人としてのイロハを身に付けます。時代はバブル全盛期、華やかな東京で、一流店の品格と江戸前の粋を覚えました。「でも、店を出すのは古里の松島と決めていた」。町内で実家が営むすし店で働いた後、14年前に現在の店を開きました。
 場所柄、県外からの観光客が多く、一期一会の縁を感じるそう。思い出深いのは開店当初に来た大阪のお客さんが、4年後に10人連れで再訪し「ずっと、もう一度来たかった」と話してくれたこと。「俺の仕事は間違ってなかったんだ、と。今でも心の支えです」。でも断言します、この味、観光客だけに譲るなんてもったいない!(鶴)

<メモ>松島町松島字町内88の1▽午前11時〜午後3時、午後5〜9時、水曜定休▽22席▽「宮城の幸にぎり」(4300円)、マグロ、ウニ、イクラが丼を覆い尽くす「三色丼」(2800円)など、メニューは昼夜共通。すし飯とワサビ入りの「自家製アイス」(300円)は試行錯誤の末に完成したという逸品▽022(355)0021。


2017年11月27日月曜日


先頭に戻る