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<世界防災フォーラム>事前投資の必要性強調 命守る知見共有

各国政府関係者らが登壇したJICA主催のセッション。災害に備え、事前対策の重要性を確かめ合った=27日、仙台市青葉区の仙台国際センター

 仙台市を会場に40以上の国と地域の研究者らが参加する「世界防災フォーラム」(実行委員会主催)は3日目の27日、会期中最多の30セッションを青葉区の仙台国際センターで開いた。東日本大震災を教訓に災害への備えや被害軽減を図る研究成果などに関し、国際機関や各国政府、大学、企業の関係者が報告。命を守るための知見を共有した。

 国際協力機構(JICA)は「持続可能な開発に向けた防災への事前投資」と題したセッションを主催。国連が策定した国際指針「仙台防災枠組」(2015〜30年)で防災への投資が重視されたことを踏まえ、阿部秀保前東松島市長やフィリピン政府高官、世界銀行幹部ら5人が議論した。
 地球温暖化の影響で災害が多発しているという中米エルサルバドルの前公共事業・運輸・住宅・都市開発相のヘルソン・マルティネス氏は、国連から10年に「災害への脆(ぜい)弱(じゃく)性が高い」と指摘され、インフラ投資を強化した結果、16年に評価が改善したと報告。「『災害を予防する文化』への転換が必要だ」と訴えた。
 モンゴルの国家非常事態庁副長官のツァグトナバートル・ガンゾリグ氏は、仙台市で15年にあった国連防災世界会議の開催効果に言及。「複数の法律が改正され、州レベルの政策も仙台防災枠組との整合性が求められるようになった。各州は予算の1%を防災に充てている」と説明した。
 学術成果を紹介するセッションで、東北大災害科学国際研究所の越村俊一教授(津波工学)は、スーパーコンピューターによる津波浸水被害予測の高速化を報告。「地震発生から3時間後までの予測を3.3分で算出できる」と解説した。
 成果は今月運用が始まった政府の津波被害推計システムに生かされたという。内閣府の駒田義誌企画官は「南海トラフ地震の発生から30分以内に市町村別に建物被害の予想が出る。実際の報告を待たずに応援派遣などの判断ができる」と利点を強調した。
 市民レベルの備えに関するセッションにも関心が集まった。フェイスブックジャパン(東京)は、会員制交流サイト(SNS)を災害時の安否確認に用いる方法を提案。担当者は「被災状況の情報収集にも生かしてほしい」と呼び掛けた。


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2017年11月28日火曜日


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