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<女川原発>重大事故想定 広域避難態勢ほぼ整備

 石巻、東松島、宮城県女川の3市町が東北電力女川原発(女川町、石巻市)の重大事故を想定し、広域避難先の各自治体と進めてきた受け入れ協定の締結を12月中に完了させることが28日、分かった。これで、県内の原子力防災の核となる住民の広域避難の枠組みがほぼ整う。

 12月に協定締結を予定しているのは、石巻市が県内27市町村、東松島市が仙台市、女川町は栗原市。協定には受け入れ自治体が避難所を提供し、避難所運営や救援物資の確保するといった事項が盛り込まれる。
 避難計画の策定が義務付けられている女川原発30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)を含む7市町がまとめた広域避難計画では、約21万人が県内33市町村に避難を余儀なくされる。このうち避難先が他自治体となる石巻、東松島、女川、南三陸の4市町が協定締結の準備を進めてきた。
 石巻市は約14万人の避難先が27市町村の約300施設に及び、亀山紘市長が10月から各市町村を訪ね理解を求めていた。同市と、約6000人が栗原市に身を寄せる女川町は原発5キロ圏の予防的防護措置区域(PAZ)と、それ以外の住民が段階的に避難を実施する。
 全市民約4万人が対象の東松島市は、昨年9月に名取、岩沼、亘理、山元の4市町と協定締結を終え、仙台市が残っていた。南三陸町は年度内にも登米市と協定を結ぶ。
 残るUPZ内の美里町は町内の30キロ圏外に加え、山形県最上地方への避難も想定し、昨年3月に同地方8市町村と覚書を交わしている。登米市と涌谷町の広域避難は市町内で完結する。
 広域避難は避難車両による渋滞の抑制や、自力避難の困難な住民へのバス手配など課題が多い。地震など自然災害による原発事故では避難先も被災している可能性が大きい。
 宮城県は内閣府の原子力防災協議会作業部会の議論を経て全体の避難計画をまとめるが、立地2市町と構成する女川2号機の有識者検討会では広域避難について議論する予定がなく、実効性の検証が不十分との指摘もある。


2017年11月29日水曜日


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