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<汚染廃>試験焼却 年内開始困難に 宮城・一部自治体が予算計上を見送り

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物処理を巡り、宮城県が今秋に予定していた試験焼却の開始が、年明け以降にずれ込む見通しとなっていることが29日、分かった。自治体の一部で住民の理解が得られず、試験焼却関連の予算計上を断念した。試験焼却は県内一斉の開始を前提にしており、年内実施は困難な状況となった。
 県と県内35市町村は7月の市町村長会議で、廃棄物を保管する自治体が地元の圏域ごとに個別処理する方針で合意。焼却を予定する広域行政事務組合や自治体は今秋、地元の焼却施設で1日1トン程度の廃棄物を家庭ごみと混燃する試験焼却を県内一斉に着手し、6カ月間実施する方針だった。
 大崎市は市議会12月定例会に提出予定の本年度一般会計補正予算案に、廃棄物の裁断など試験焼却の前処理や焼却施設への搬入といった費用の計上を見送る方針を固めた。
 市は8月の市民説明会で12月にも試験焼却に入りたい意向を示したが、焼却灰の搬入が想定される同市三本木の最終処分場の周辺住民を中心に反発が相次いでいる。市は「住民理解を得るための時間が必要」(市民協働推進部)と延期を余儀なくされた。
 石巻市も焼却灰を埋め立てる予定の河南一般廃棄物処理場の周辺住民を対象に今月7〜17日に説明会を開催したが、風評被害などを懸念する住民側との溝は埋まっていない。
 市廃棄物対策課の担当者は「現時点で試験焼却の具体的予定はない。まずは住民理解を得られるよう説明を尽くす」と言う。
 今秋の試験焼却開始を経て、来年度にも本焼却への移行を見込んだ県のスケジュールは再考を迫られる可能性が高い。県放射性物質汚染廃棄物対策室は「合意事項の一斉開始を崩すことはできない。自治体と連携し、一日も早い処理を目指す」と話した。


2017年11月30日木曜日


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