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<脱埋没への模索 どうする登米・栗原>第1部 産業経済(2)観光振興(上)/周遊ルート作り課題

宮城県登米市の長沼周辺を会場に開催された「東北風土マラソン&フェスティバル」。市はイベント開催などで観光客数年間300万人を目指す

 宮城県栗原市で観光の柱となるのは春は新緑、秋は紅葉が楽しめる国定公園の栗駒山(1626メートル)だ。栗原、登米両市にまたがるラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼は、夏はハスの花が湖面を覆い、冬は国内有数の渡り鳥飛来地となる。
 登米市は郷土食の「はっと」を食べ比べるフェスティバルや、ランニングコースの途中で東北の郷土の味を楽しむ「風土マラソン」など、食を軸にしたイベントを主催して集客を図る。
 これらの観光地やイベントは地元では広く知られる。だが、仙台市の観光業関係者は「登米や栗原に観光というイメージはない」と打ち明ける。それぞれの観光スポットを知ってはいるが、「それらが線や面としてつながっていないため、足を運ぼうという気持ちが湧いてこない」。観光ルートとしての作り込みの甘さを指摘する。

<誘客数が低迷>
 登米、栗原両市の観光客数(2016年)はそれぞれ274万人と200万人。県内を七つの圏域に分けた場合、栗原は最下位だ。登米は5番目だったが、6番目が東日本大震災で大打撃を受けて客足が回復しない気仙沼圏であることを考えると、厳しい状況は変わらない。
 プロ野球東北楽天戦が開催されるKoboパーク宮城や景勝地・松島などが位置する仙台圏(3504万人)、鳴子温泉郷がある大崎圏(944万人)に大きく水をあけられる。
 それでも両市が観光客増を目指さなければならない理由がある。

<人口減に焦り>
 新市誕生(05年)以降、年間800〜1000人ずつ人口が減っている。それに伴う経済的な活力減退をカバーするには、「観光交流人口の拡大が急務だ」と栗原市幹部は言う。
 観光庁が15年家計調査などを基に算出したところ、定住人口1人当たりの年間消費額(125万円)は、旅行消費に換算すると宿泊国内旅行者25人分、日帰り80人分、訪日外国人旅行者(インバウンド)8人分に相当する。
 両市は観光宿泊施設に乏しく、インバウンドも少ない。日帰り客で人口減に伴う経済的な影響をカバーするには、年間6万4000〜8万人ずつ増やさなければならない計算になる。
 栗原市はテレビなどで観光コマーシャルを多用。登米市はさまざまなイベントを開催したり、国際短編映画祭で観光映像大賞を受賞したPR動画「Go! Hatto 登米無双」を積極活用するなどして誘客を図る。
 登米は20年までに300万人、栗原は19年までに220万人の観光客数を目指す。登米市の担当者は「今年新たに開業した道の駅『三滝堂』の客足は上々。宿泊施設は少ないが、民泊を推進するなどして目標を達成したい」と意気込む。


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2017年11月25日土曜日


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