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交通事故死の兄への思いを文章に 利府の高校生、恐ろしさ伝える

翔樹さんの仏壇の前で手を合わせる裕菜さん

 犯罪被害者週間(11月25日〜1日)に合わせ、仙台三桜高2年の佐藤裕菜さん(16)=利府町=が、交通事故で亡くなった兄翔樹さん=当時(8)=への思いを記したパネルが県庁1階ロビーに展示されている。裕菜さんは悲惨な輪禍が後を絶たない現状に心を痛め、「一人一人の心掛け次第で事故はなくせるはず」と訴える。
 パネルの文章は、裕菜さんが高校入学前に書いた「人生の転機」というテーマの作文から抜粋。交通事故遺族として、命の大切さを伝える母の早織さん(48)が県警にパネル展示を提案した。
 翔樹さんは2000年7月、小学校登校中に横断歩道で信号無視の大型クレーン車にはねられ、亡くなった。早織さんは当時、裕菜さんを身ごもっていた。裕菜さんは「私の誕生を楽しみにしていた兄に会いたい」との思いを、作文で初めて形にした。
 パネルは「兄はなぜ殺されなければならなかったのか」「母は事故後、精神的に不安定になった」など遺族の悲嘆に加え、「自分は大丈夫という甘さが事故を生む」と誰もが突然、加害者にも被害者・遺族にもなり得る事故の恐ろしさを伝える。
 裕菜さんは「作文を書き終えて、少しだけ兄とつながることができたと感じた」と話す。
 県内では11月、死亡事故が8件9人(前年同期3件3人)と多発。県警交通企画課の柴田剛管理官は「薄暮時や夜の事故が目立つ。歩行者は明るい服や反射材を身に着け、運転手はハイビームを活用してほしい」と呼び掛ける。


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2017年12月01日金曜日


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