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<東日本大震災>理美容奨学生、思いつづる 5年間支援の商社、記念誌を発行

奨学生らの軌跡を紹介した記念誌

 理美容用品の総合商社瀧川(たきがわ)株式会社(東京)は、東日本大震災で被災した理・美容師志望の若者らを支援する奨学金制度の記念誌を発行した。事業は今春で終了し、26人の奨学生全員が資格を取得。震災を乗り越え、理美容業界に羽ばたく一人一人の軌跡や将来の夢などを紹介している。
 同社は震災後、岩手、宮城、福島3県の高校生らを対象に、理美容学校の2年間の学費を支給する奨学金を創設した。2013〜15年度の進学者を支援し、夏休みには技術向上に向けた合宿も開催。今春までに全員が卒業し、サロンなどに就職した。
 記念誌のタイトルは「未来に紡ぐ理・美容師への志 瀧川奨学金制度<給付型>五年間の記録」。各自の感想、合宿や卒業後の仕事の様子などを写真入りで掲載した。震災で家が全壊した奨学生は「金銭的な問題で美容師の夢を諦めかけたが、奨学金のおかげで免許を取得でき、多くの人と出会えた」と感謝を寄せた。
 「被災した地元にサロンを開く」「多くの人を笑顔にしたい」などの目標も記されている。福島県浪江町出身で、現在福島市のサロンで働く男性は「原発事故で避難を余儀なくされたが、祖父母の代から続いた理容室を再建させたい」との決意をつづった。
 同社奨学金事務局の担当者は「社会に出た奨学生らが一人前の理・美容師となれるよう、今後も温かく見守りたい」としている。
 記念誌はA4判、95ページで5000部作製。非売品で主に業界関係者らに配布し、残部もある。連絡先は同社03(3845)2111。


2017年12月01日金曜日


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