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<宮城県議会>改革停滞?政活費、宿泊先領収書添付見送り 全国唯一の定額支給維持

 政務活動費(政活費)の不正問題で昨年、議長が2代続けて引責辞任した宮城県議会で、昨冬から適正運用を協議してきた検討会議が、出張で宿泊したホテル・旅館の領収書添付の義務化を見送った。全国で実費精算への移行が進む中、定額支給は宮城のみ。不祥事の連鎖から1年が経過し、改革意識の低下を懸念する声が強まっている。(報道部・桐生薫子)
 議員報酬条例によると宿泊費は定額制で、東京や大阪など大都市圏が1泊1万4800円、他地域は1万3300円。議会事務局への提出は活動内容を記録した簡易な書類だけで済む。検討会議は、領収書添付の義務化でカラ出張防止や政活費の支出抑制を目指した。
 ルール改正に反対したのは最大会派「自民党・県民会議」(31人)。「県職員も領収書提出を求めない独自規定で運用している」などと難色を示した。
 県職員は特別職を除き首都圏1万3100円、他地域1万1800円に抑え、超過すれば公務でも自己負担している。「支給基準をより厳しくするのは時代の流れ」(議会事務局)となっている。
 宮城と同様に領収書の提出が不要だった福井県議会は昨年度、政活費全般の見直し作業に着手し、本年度分から宿泊費の上限額を維持した上で実費精算を始めた。議会事務局の担当者は「全国の状況を踏まえて判断した」と話す。
 政活費を巡る宮城県議会の検討会議は、自民会派出身議長による相次ぐ不正を受け、昨年12月に設置された。見直し対象となった運転代行費用の廃止も、自民の一部が「各種団体との付き合いは飲酒を伴う場合が多い」と抵抗、頓挫した。
 民進党系会派の「みやぎ県民の声」(9人)は「『喉元過ぎれば』ではいけない。県民常識に合った精算方法が必要だ」と強調。共産党県議団(8人)は「議員特権はなくさなければならない」と主張する。
 検討会議は一部メンバーを入れ替え、開会中の県議会11月定例会で議論を再開する方針。自民会派内にも「宮城だけ特別な理由はない。取り残された現状を受け止めなければならない」(中堅議員)と改革の停滞を懸念する声がある。
 仙台市民オンブズマン事務局長の渡部雄介弁護士は「実費精算が原則で、カラ出張防止のために領収書添付は当然だ。規定を見直す必要がある」と指摘する。


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2017年12月03日日曜日


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