宮城のニュース

<スタートアップビザ>外国人創業進む支援 仙台市でも「第1号」地元企業に刺激期待

 日本で創業を目指す外国人を対象に、在留資格の取得要件を緩和する国家戦略特区事業「スタートアップビザ」の運用が全国で本格化している。東北で唯一導入した仙台市では11月15日、同ビザを活用した創業第1号が誕生した。ビジネスをしやすい環境を整え、海外から多様な人材を呼び込んで地域経済の活性化につなげるのが狙い。一方、受け入れ態勢の整備や制度の周知など、利用拡大への課題が浮かんでいる。

 スタートアップビザは2015年度以降、全国で3都県と4市が導入している。河北新報社が11月下旬、各自治体に聞き取った申請数は表の通り。福岡市の38人が最も多く、仙台市は2人だった。
 全国に先駆けて15年12月に始めた福岡市は、起業支援施設「スタートアップカフェ」を拠点に外国人の相談に応じるなど、創業準備を手厚く後押ししている。住居や事業所の賃料補助制度も用意。海外の起業イベントに参加し、情報発信に力を入れる。
 福岡市で同ビザを利用し、半年間の在留が認められた外国人のうち、事務所開設などの通常の要件を満たしてビザを更新したのは全国最多の15人に上る。
 市創業・大学連携課は「(外国人創業者の増加で)地元企業が刺激を受け、世界基準でサービスを見詰め直す機運が高まっている」と、波及効果を強調する。
 いまだ申請がない新潟市は「外国人への情報発信が難しい」、愛媛県今治市は「ニーズが少ない」といった課題を挙げる。
 仙台市は4月、年間3人の目標を掲げ、受け付けを始めた。申請者2人のうち、米国人男性(43)が11月15日、若林区で英会話教室を開業。もう1人のブラジル人女性は日本企業の海外展開を支援するコンサルティング事業を計画したが、別の仕事のため辞退した。
 市は福岡市を手本に、起業支援センター「アシ☆スタ」で専門家による相談態勢を強化。仙台市地域産業支援課は「創業後の販路開拓などの支援が今後の課題。外国人の起業を促し、仙台経済のグローバル化につなげたい」と戦略を練る。

[スタートアップビザ] 外国人の創業を促すため、国家戦略特区の都市に特例的に認められた制度。実施自治体に事業計画を提出して確認証明書を受けると、創業準備のため6カ月間の在留資格(経営・管理)が認められる。通常は入国時に(1)事務所開設(2)常勤2人以上の雇用(3)資本金500万円以上−などの要件を満たす必要がある。


関連ページ: 宮城 社会

2017年12月04日月曜日


先頭に戻る