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<まちかどエッセー・アサノ タケフミ>ヒーローはいつも心に

アサノ タケフミさん

 「パパ、みんなを笑顔にするにはどうしたらいい?」。東日本大震災で傷ついた人たちを見て、小学1年生の少女が言った。そこから始まったのが、多賀城市で産声をあげた地域のヒーロー「地域盛り上げ隊タガレンジャー」である。
 メンバーは多賀城あやめ、ブルータガジョーの親子2人組で、近隣の地域のヒーローたちと「みちのくレンジャーズ」として活動している。僕が初めて彼らに会ったのは2013年。震災後は特に地元を盛り上げたいという思いがあったので意気投合し、数え切れないぐらい、いろいろな場所を一緒に回った。
 タガレンジャーのリーダーは多賀城あやめ。ピンク色のかわいいスーツに身を包み活動している。大人が泣き言を言いそうな現場でも不満一つこぼさず、常に笑顔でみんなの前に立ってきた。その姿に僕も、出会った人たちも勇気をもらった。
 影で支えているのが両親。「最初は受け入れられなかった」と、父親でキャラクターの生みの親でもあるブルータガジョーは語る。「今では『タガレンジャーだ!』と子どもたちが近づいて来るけれど、そうなるまでに1年以上かかった」。認知されるまでの苦労は計り知れない。
 僕も何かで2人を応援できないかと思い、テーマソングを作ることにした。「TMTタガレンジャー」という曲である。TMTは、地域を盛り上げたい!の略。彼らが活動を行う上で一番大切にしていることである。傷ついたみんなの気持ちを盛り上げ、そのためには地域が盛り上がらなければならないと考えている。
 小学1年生で始めたこの活動も5年たち、あやめちゃんは現在小学6年生。来春中学生になったら「タガレンジャーと並行してジュニアリーダーになりたい」と僕に打ち明けてくれた。
 5年間で得たものは彼女の将来をきっと明るいものにしてくれるだろう。彼女らが活動してきたことは我々の心に生き続ける。今度は僕たち大人が子どもたちの心のヒーローになる番だ。明るい未来を守り続けるよ、と力強く誓いたい。(シンガー・ソングライター)


2017年12月04日月曜日


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