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<この人このまち>認知症、笑って学ぶ場を

竹内淳子(たけうち・じゅんこ)1965年十和田市生まれ。秋田大卒。岩手県立一戸病院第2精神科長などを経て、2009年十和田市立中央病院精神科(現メンタルヘルス科)診療部長。

◎じゅんちゃん一座・座長 竹内淳子さん


 寸劇で認知症への理解と普及を図る「じゅんちゃん一座」が青森県内を中心に活躍している。座長を務めるのは、十和田市立中央病院精神科医の竹内淳子さん(52)。医療のプロによる笑って楽しく学べる内容が人気を呼び、公演は年々増えて通算130回を超えた。(八戸支局・中本亮)

 −誕生のきっかけは。
 「上十三もの忘れフォーラムの打ち合わせの際、過去のアンケートに『寸劇で認知症を学びたい』という声があったと聞きました。他県で取り組んでいる地域があり、実践形式で認知症の対応説明もやっていました。『十和田でもやりたい』と周囲に声を掛け、2011年12月に発足しました」

 −一座の寸劇の特徴は。
 「メンバーはケアマネジャーら十数人で、実際に現場で認知症の人を見ています。演目は物を盗まれたという妄想や徘徊(はいかい)、介護うつなどよくある6項目。簡単な講義を挟みながら失敗例と成功例の寸劇を、ユーモアを交えて南部弁で演じます。小難しい内容だと誰も見たくないと思うので、知恵を絞ります」

 −公演を見た人たちの反応もいいですね。
 「多くの人は楽しんでくれるし、元気になって帰ってくれます。後になって役に立つ場合もあります。事例を見て認知症を知ることができるため、寸劇がきっかけで診察に訪れる人がいて、相談に行くハードルを下げる役割も果たしています」

 −小中学生を対象に、同じ内容で公演していると聞きました。
 「小中学生は祖父母と一緒にいる時間が長く、認知症の発見者になるかもしれません。でも認知症について知らずに、言動を見て祖父母を嫌いになってしまうのは悲しい。病気だと分かれば対応もできる上、気持ちの整理もできてつらい思いは減ると思います」

 −認知症について詳しく知らない人も多いです。
 「認知症は治せないので恐怖を抱く人が多い。介護がいつまで続くか分からず、家族も不安を抱きます。ただ、90歳まで生きると2人に1人は認知症になると言われており、単なるハンディキャップの一つ。誰もが自然に向き合えるようになってほしいですね」

 −今後の目標は。
 「認知症の人が住みやすい社会は、他の誰にも優しい社会。なぜか、医者は自分が診る病気にかかりやすいとか。公演で理解が進み、自分が認知症になった時に、住みやすい環境になっていればいいですね」


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2017年12月04日月曜日


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