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伊達家がゆかり 宮城と愛媛「二つの名取」 震災から始まった交流を絵本に

自費出版した絵本を眺める水戸さん(左)と阿部さん

 東日本大震災で被災した宮城県名取市と、愛媛県伊方町名取地区の歴史的なつながりを題材にした絵本「海を渡った多賀丸−ふたつの名取の物語」を名取市のNPO法人が自費出版した。仙台藩祖伊達政宗生誕450年の今年、伊達家ゆかりの愛媛県と震災をきっかけに始まった交流を、さらに深めている。

 出版したのは、「生涯学習実践塾」。理事長の水戸正美さん(73)=名取市=が原作、理事で絵本専門士の阿部弘子さん(60)=宮城県柴田町=が原画を担当した。
 A4判カラーで、10月に3000部作製した。名取市閖上小と下増田小の全児童計約850人に配ったほか、伊方町の小学生や名取地区の住民にも届けた。在庫はほとんどないという。
 地名の由来を巡って伊方町名取地区には、政宗の長男で宇和島藩初代藩主伊達秀宗の入国(1615年)の際、同行した軍夫が仙台藩の名取郡出身で軍馬の飼育と警護のため定住したとの伝承がある。
 絵本ではこの説を基に、名取郡の少年と名馬「多賀丸」が入国に同行し、嵐が迫る宇和島で少年が多賀丸を無事避難させるという物語を描いた。絵は手描きの線を残した柔らかいタッチで、各ページには本文に加え、関連する歴史の解説を載せた。
 震災後、伊方町名取地区の住民は「本家が大変」と名取市に義援金や寄せ書きを送った。その後も、住民が互いに訪問するなど交流を続ける。
 阿部さんは「震災で名取地区の人たちの温かい気持ちを知ることができた。絵本で恩返ししたかった」と語る。水戸さんは「名取市の子どもたちには、ぜひ名取地区とのつながりを知ってほしい」と話す。


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2017年12月04日月曜日


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