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<VR北限の海女>八戸高専が研究開発、学会でベスト作品賞受賞

北限の海女を体験できるシステム。頭部装着型ディスプレーには、右の画面と同じ画像が表示される

 八戸高専(青森県八戸市)が、久慈市の「北限の海女」を仮想現実(VR)技術で体験学習できるシステムの開発を進めている。海女の後継者育成に貢献しようと2004年に着手した研究は、今年の芸術科学会でベスト作品賞を受賞。高専生らは「子どもたちがより体験しやすくなるよう改良を続けたい」と意気込む。

 開発したシステム「海女 via−WHB」は、頭部装着型ディスプレーを用い、目の前に表示された海の中で潜ってウニを捕る作業を体験できる。ディスプレーや手に着けたセンサーで頭や手の動き、手にはめたグローブで指の動きを感知し、画面に反映させる。
 頭を下げる動きと手で水をかく動作をうまく組み合わせないと潜れず、画面上で体が浮くようにするなど、本物の海女の動きにできるだけ近づけた。
 産業システム工学科電気情報工学コースの細川靖講師(情報工学)が岩手県立大で研究中、久慈市の海女が減少している話を聞き、「子どもが海女を知るきっかけになれば」と開発に着手した。研究室の学生が卒業研究として取り組み、改良を加え続ける。
 実際、海女にシステムを試してもらい、意見を取り入れた。当初の操作レバーで行う潜りの動作の評判はよくなかったという。現段階でも「実際に見ている海とまだ違う」との声があり、細川講師は「完成はまだまだ」と説明する。
 研究室は青森県東北町や久慈市で開かれたイベント、八戸高専の学園祭などでシステムを紹介。多くの子どもが体験している。
 成果は11月、盛岡市で開かれた「NICOGRAPH2017」(芸術科学会主催)で、専攻科同コース2年坂本和哉さん、1年大坂侑平さん、3月に専攻科を修了した東北大院生の平舘侑樹さんらが発表した。参加者120人の投票で、8チームの中でトップとなりベスト作品賞に輝いた。
 坂本さんは「作品賞を取れてうれしい」と語り、大坂さんは「多くの人に海女を知ってもらえてよかった」と話した。


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2017年12月07日木曜日


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